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» 2017年03月30日 07時15分 UPDATE

カルビー追うケロッグ、日清シスコ:600億円超えたシリアル市場 各社どう戦う? (1/2)

急成長を続けるシリアル食品市場。2016年には出荷額が621億円、対前年比で15.7%増となった。それをけん引するのがグラノーラだ。トップを走るカルビーに対し、日本ケロッグ、日清シスコはどう攻勢をかけていくのか?

[伏見学,ITmedia]

 スーパーマーケットやドラッグストアによく行く人ならお気付きかもしれないが、今、陳列棚に並ぶシリアル食品の数の多さには目を見張るものがある。メーカー各社が競い合うように新商品を送り出しているからだ。

 それに伴い市場も急成長中。日本スナック・シリアルフーズ協会によると、2016年のシリアル食品全体の出荷額は621億円。対前年比で15.7%増となった。

 この成長をけん引するのがグラノーラだ。金額は全体の約7割にあたる453億円に上る。グラノーラとは、麦、玄米といった穀物加工品やナッツなどに、シロップや植物油を混ぜてオーブンで焼いたもの。この領域は、シェアの半分を占めトップをひた走るカルビーと、それを追う日本ケロッグ、日清シスコの3社が争う。

次々と新商品が登場するグラノーラ。写真は日清シスコの「ごろっとグラノーラ」シリーズ 次々と新商品が登場するグラノーラ。写真は日清シスコの「ごろっとグラノーラ」シリーズ

 かつてシリアルと言えばコーンフレークが主流だったが、2010年ごろからカルビーを中心に各社がグラノーラに力を入れることで市場を拡大させてきた。

 現在のところカルビー優勢の状況だが、日本ケロッグ、日清シスコもただ指をくわえて見ているだけではない。両社は「健康」と「おいしさ」をテーマに掲げて新商品を開発、攻勢をかける。

消費者と商品を共同開発

 ケロッグといえば、シリアル食品で世界的なブランド力があり、「コーンフレーク」や「コーンフロスティ」、「ココくんのチョコクリスピー」などの商品が有名。歴史は古く、1894年に現在のシリアルの原型である「グラノーズ」を開発したところから事業をスタートしている。

 同社のシリアル食品の強みは機能性。代表例が小麦ふすまを使った食物繊維が豊富な「オールブラン」だ。食物繊維は腸の調子を整えるため、例えば、病院などでは便秘の患者に対して医師がオールブランを勧めることもあるそうだ。

日本ケロッグの大谷弘子執行役員 マーケティング本部長 日本ケロッグの大谷弘子執行役員 マーケティング本部長

 この機能性という強みをグラノーラにも応用。健康基軸で消費者ニーズに合った商品を1つ1つ開発している。「ケロッグのグラノーラは麦もあれば、おおつむぎや玄米など、ベースの穀物を商品ごとに変えている。調理方法もそれぞれの商品で異なる。この点が他社との差別化要因だ」と、日本ケロッグの大谷弘子執行役員 マーケティング本部長は強調する。

 同社のグラノーラでトップセールスを誇るのが「フルーツグラノラ ハーフ」。これは低脂肪の穀物とフルーツを使い、調合する油をできるだけ減らすことで、脂質を従来商品の半分以下に抑えた。健康に敏感な消費者にも訴求したことで、購入者の4分の1は新規ユーザーという。売り上げは前年比で11%増となった。

 そのほかにも、アクティブシニア層がメインユーザーの「玄米グラノーラ」などが業績に貢献。今では売上高全体の約70%がグラノーラ商品だという(インテージSRI調べ)。

 昨今の健康ブームもあいまって売り上げを伸ばしてきたが、一方で機能性に特化した商品は味が落ちるのではないかという懸念も消費者にはある。ケロッグにとっておいしさと機能性を両立することが課題なのである。

 そこで味の質を高める手段として消費者の声を積極的に取り入れている。その1つが、2015年に立ち上げたユーザーコミュニティー「オールブラン アンバサダープログラム」に参加する約5000人の意見を商品開発に生かす取り組みだ。16年ぶりにリニューアルし、今年2月に発売した「オールブランフルーツミックス」は、アンバサダーに商品の試作段階から入ってもらい、彼らの意見を抽出。味わいや食感に徹底的にこだわり、何度も試作を繰り返したという。

日本ケロッグの売り上げの大半をグラノーラ商品が占める 日本ケロッグの売り上げの大半をグラノーラ商品が占める

 今後も健康ニーズに応えた商品をスピード感もって出していきたいと話す大谷氏。そして商品は出して終わりではなく、消費者を飽きさせないように頻繁にリニューアルしていくことも重要だという。

 「数年前までは12〜2月にシリアルの新商品を発売することなどなかったが、今では時期を問わず各社が次々と商品を出してくる。日本ケロッグとしても1年を通してスーパーなどで売り場を作り、売れる商品を作っていかねばならない」(大谷氏)

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