米軍は韓国とともに、北朝鮮を先制攻撃して金正恩・朝鮮労働党委員長も殺害するという「OPLAN(作戦計画) 5015」を2015年に作成している。そして合同演習ではその訓練を実施している。ところが最近、この計画のもとになっている「OPLAN 5027」という米韓の作戦計画を、北朝鮮がサイバー攻撃によって2016年に盗んでおり、作戦内容の一部が相手に把握されたと指摘されている。そこでこの計画の確認の必要性もあると見られていた。
少なくとも、今はまだ攻撃に乗り出す段階ではなさそうだ。
シリアも北朝鮮も、とりあえずは大きな戦争にはつながりそうにないが、ただ冒頭で述べた通り、トランプは、数々の大方の予想を裏切ってきた。北朝鮮への攻撃も、予測不能な部分があると見る人は多い。特に、大統領支持率が落ちていることも危険な兆候ではある。
ただここまで分析してきた予想が裏切られたら、それこそ世界は未曾有の大混乱に陥るだろう。今回は予想が裏切られないことを望むのみだ。
山田敏弘
ノンフィクション作家・ジャーナリスト。講談社、ロイター通信社、ニューズウィーク日本版に勤務後、米マサチューセッツ工科大学(MIT)でフルブライト研究員を経てフリーに。
国際情勢や社会問題、サイバー安全保障を中心に国内外で取材・執筆を行い、訳書に『黒いワールドカップ』(講談社)など、著書に『ゼロデイ 米中露サイバー戦争が世界を破壊する』(文藝春秋)『モンスター 暗躍する次のアルカイダ』(中央公論新社)、『ハリウッド検視ファイル トーマス野口の遺言』(新潮社)がある。
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