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» 2017年04月21日 17時26分 UPDATE

新人教育にも利用:ビル管理にスマートグラス 遠隔地から作業員支援

オリックス・ファシリティーズが、ビルの点検や新人教育などの業務にスマートグラスを導入する。

[濱口翔太郎,ITmedia]

 大京グループでビル管理事業を手掛けるオリックス・ファシリティーズは4月21日、ビルの点検や新人教育などの業務にスマートグラスを導入すると発表した。6月から、ビルの管理や工事を担う部門と、若手社員を受け入れる建設現場で活用する。

 導入するスマートグラスは、セイコーエプソンが開発したヘルメットタイプの「MOVERIO Pro BT-2200」3台と、軽量タイプの「MOVERIO BT-300」4台。前者は工事現場など屋外の点検業務で、後者は屋内での点検業務や新人教育でそれぞれ使用する。

photo ヘルメットタイプのMOVERIO Pro BT-2200
photo 軽量タイプのMOVERIO BT-300

 2016年5月から今月にかけてトライアルを実施し、一定の成果を得たため導入を決めたとしている。導入コストは計145万円程度という。

 スマートグラスを装着した作業員の視界を、遠隔地でサポートを行うオペレーターのPCと共有する仕組み。オペレーターは、映像を見て点検が必要な個所をペンで強調したり、画面上に「物体から離れてください」「右に回ってください」などのメッセージを表示したりすることが可能。スマートグラスは音声通話にも対応しているため、画面を見ながら口頭で指示を送ることもできる。

photo ペンで指示を送る様子

 作業員から届く映像はオペレーターのPC上に自動保存されるため、オペレーターは静止画として切り出して分析し、詳細な指示の考案につなげられる。また、オペレーターはデータ化したマニュアルを作業員のスマートグラス上に表示し、業務を手助けすることも可能だ。

 経験のある作業員がスマートグラスを使用する場合は、オペレーターとの二重のチェックによって見落としを防ぎ、点検の精度をさらに高める狙い。若手社員が使用する場合は、オペレーターの指示通りに作業を行いながら業務を学習させることで、早期戦力化につなげる狙いがある。

photo 点検を行う若手社員の星野さん
photo 星野さんの視界がオペレーターのPCに表示される

 堀靖雄 事業統括部業務改革室長は、「オペレーターが1人の新人をじっくりと指導できるため、OJT(オンザジョブトレーニング)の質の向上につなげられると考えている。熟練の作業員の経験を可視化し、若い層に伝えていきたい」と話す。

 すみだ水族館(東京都墨田区)で施設点検をしている入社3年目の星野健一さんは「トライアル段階からスマートグラスを使用しているが、経験ある先輩方から指示が届くため、安心して作業ができている」と導入の効果を語る。

 今後、スマートグラスの利用ノウハウを蓄積し、大京グループ各社に共有していく。建設会社の穴吹工務店をはじめ、他のグループ企業がスマートグラスを導入する可能性もあるという。

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