鉄道ファンの支持を集める「京浜急行」の秘密強みは「独自性」(2/3 ページ)

» 2017年04月24日 08時00分 公開
[小林拓矢ITmedia]

座席へのこだわり

 ここ数年、通勤型車両はちょっと硬めの座席が増えていて、個人的に「座り心地が悪いなあ」と感じている。

 一方、京浜急行の車両はロングシートであっても、座り心地のよさが保たれている。柔らかく、落ち着いて座れるような印象を感じさせられる。

 そして京浜急行といえば、転換クロスシートの車両である。2ドアの転換クロスシート車両が、地下鉄に乗り入れない快特用の車両として使用されている。

 関東周辺で、転換クロスシートの車両が走っていることは少ない。関西では大阪周辺を中心によく見るものの、人口が多く利用者も多い関東では、人を詰め込むにはやはりロングシートしかないという現実がある。

 かつては東海道線や横須賀線ではセミクロスシートの近郊型電車も走っていたが、多くの人を運ばなくてはいけないため、ロングシートに改造され、やがては新車もロングシートになっていった。

 そんな中で、京浜急行の優等列車には進行方向に向けた座席を提供している。通勤時の座席確保列車「モーニング・ウィング号」や帰宅時の座席確保列車の「ウィング号」にも使用されている。

座って乗車できる「モーニング・ウィング号」(出典:京浜急行)

 最近では東武鉄道や西武鉄道で座席転換型車両の導入が進んでいるものの、以前から進行方向に向けて座れるサービスを提供してきたのは、京浜急行である。

 もちろん、座り心地は大変よい。しかも、座席確保列車以外は普通運賃だけで乗れるのである。

 乗客へのサービスも、京浜急行はこだわっている。

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