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» 2017年04月28日 20時17分 UPDATE

16年度は大減益:ヤマト、最大180円値上げ発表 通販大手と交渉、撤退も検討

ヤマトホールディングスとヤマト運輸が、宅配便の基本運賃値上げの詳細と、総量コントロールの内容を正式発表した。

[濱口翔太郎,ITmedia]

 ヤマトホールディングスと傘下のヤマト運輸は4月28日、2017年度の事業計画を発表した。宅配便の基本運賃を9月中にも140〜180円値上げするほか、宅配便の総量コントロールにも取り組む。現在、ネット通販(EC)大手のアマゾンジャパンをはじめ、取引量の多い企業を対象に、撤退も視野に入れた交渉を実施中という。

photo 会見するヤマトHDの山内雅喜社長=左、ヤマト運輸の長尾裕社長=右

運賃・取扱個数はどう変わる?

 基本運賃の見直しでは、3辺の長さの合計が60〜80センチの荷物を140円、100〜120センチの荷物を160円、140〜160センチの荷物を180円、それぞれ値上げする。

photo 値上げの内容

 代替策として割引サービスを充実させ、無料の会員制サービス「クロネコメンバーズ」の会員が発送時に荷物を直営店に持ち込んだ場合や、店頭端末「ネコピット」でデジタル送り状を発行した場合、荷物1個につき50円を割り引くサービスを始める。

photo デジタル送り状発行機「ネコピット」

 ヤマト運輸の長尾裕社長は、「値上げによって得る収益を、社内の『働き方改革』の推進などに充てていきたい」と話す。「タイムカード機能が組み込まれたタブレットを導入した入退館管理、輸送拠点での仕分け作業のオートメーション化、オープン型宅配ロッカーの設置などの施策を考えている」という。

 従業員の負担減を目的に、宅配便の総量を減らす取り組みも行う。17年度の取扱個数は、前年度から約8000万個少ない約17億8700万個に抑えるという。

 ヤマト運輸が総量調整を検討中の法人企業は計1000件程度。同社は現在、採算が合わない企業に対して繁忙期の出荷調整を提案しているほか、大量の荷物をまとめて配送する仕組みの整備を進めている。

 ヤマト運輸広報戦略部の服部亮太氏は、「アマゾンジャパンを含め、通販大手と交渉していることは事実。条件が合わない場合は、撤退も検討中」と明かす。

17年度は増収減益 190億円の未払い残業代の影響で

 ヤマトホールディングスが同日発表した17年3月期の連結決算によると、売上高に当たる営業収益は1兆4668億5200万円、営業利益は前年比49.1%減の348億8500万円と増収減益だった。

photo 17年3月期の連結決算

 同社は18日、今年初頭に実施した社内調査によって、全社員の過半数を占める計4万7000人に対して、計190億円の残業代が未払いであったことを発表している。該当者には7月をメドに「一時金」として適切な金額を支払う予定であるため、全額を一括計上したことが減益に大きく影響した。

 18年3月期の連結業績予想は、営業利益が14.0%減の300億円、純利益が5.8%減の170億円。次年度も苦戦が続く見込みだ。

photo 18年3月期の連結業績予想

 ヤマトホールディングスの山内雅喜社長は、「17年度は、コスト構造の見直しと体制の立て直しに専念する。1年かけて事業構造を変革した上で、18年度以降の持続的成長につなげたい」と話している。

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