浅田真央が引退したのに、なぜキム・ヨナはノーコメントなのか赤坂8丁目発 スポーツ246(1/3 ページ)

» 2017年05月12日 12時47分 公開
[臼北信行ITmedia]

 ちょうど1カ月が経った。フィギュアスケートの浅田真央さんが4月12日、現役引退を表明(関連記事)。日本中が労をねぎらう声や、これまでの偉業を称える声であふれ返った。

 一方で、このニュースは海外でも大きな衝撃として受け止められ、ネット上でも世界中で数多くのコメントが飛び交った。リンク上で競い合った他のフィギュアスケーターはもちろん他の競技で活躍するスポーツ選手たちもSNSなどを通じ、続々と浅田さんの引退についてメッセージを発信。「皇帝」の愛称で親しまれ、3月31日に引退を表明したばかりのフィギュアスケート男子トリノ五輪金メダリストのエフゲニー・プルシェンコ氏(ロシア)も温かい言葉を投げかけた。

 しかし、なぜかキム・ヨナ(金妍兒=韓国)さんはノーコメントの姿勢を貫いている。現役時代、彼女は浅田さんとライバル関係にあり、切磋琢磨しあいながらお互い成長を遂げていた。その浅田さんが現役引退を発表したことについて当然何らかの言葉は発するだろうと思いきや、まさかの無言――。こうした対応に、日本ではフィギュアファンのみならず、多くのネットユーザーから彼女に対して大バッシングがドッと沸き起こった。

 ちなみにフィギュアファンならば誰もが知っていることだが、1990年生まれで同い年の浅田さんとキム・ヨナさんはジュニア時代から氷上でしのぎを削り合う関係だった。このころは浅田さんの成績がまだ優勢。ところがシニアになると浅田さんはキム・ヨナさんに一気に巻き返されてしまう。

 2006年のグランプリファイナル(ロシア)でキム・ヨナさんに敗れると、その後は2013年の時点まで4勝11敗。大きく水をあけられてしまった。ターニングポイントとも言えた大会は、やはり2010年のバンクーバー五輪。浅田さんは「五輪で金メダルに輝くことが最大の目標」と公言してはばからなかったものの結局、同五輪でキム・ヨナさんが金メダルに輝き、自身は銀メダルに終わった。しかしこの年にイタリア・トリノで行われた世界選手権ではキム・ヨナさんを抑えて堂々の金メダルに輝いている。

なぜキム・ヨナさんはノーコメントを貫き通すのか
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