テレワークなどIT活用企業は「労働生産性が高い」総務省調査

» 2017年06月09日 16時42分 公開
[ITmedia]

 総務省は6月8日、2016年の通信利用動向調査を発表した。企業のクラウドサービスへの認知度は上がりつつあり、またITを活用している企業は1社当たりの労働生産性が高かったという。また世帯・個人のインターネット利用についての調査では、6〜12歳の低年齢層のインターネット利用率が初めて8割を超えた。

 クラウドサービスを利用している企業の割合は46.9%(15年調査比2.3ポイント増)で、「クラウドサービスについてよく分からない」は9.3%(1.1ポイント減)と、利用率・認知度ともに上がりつつある。資本金別では、10億円以上の企業の7割がクラウドサービスを利用している。1〜10億円は6割、1億円未満は4割と中小企業ではまだ利用率は高くないが、上昇傾向にある。

クラウドサービスの利用率や認知度は上昇

 ITを活用している企業の1社当たりの労働生産性(営業利益、人件費、減価償却費の合計を従業者数で割った数字)は、テレワークは1.6倍、クラウドサービスとIT教育は1.3倍、無線システム・ツールは1.2倍と、いずれも未導入・未実施企業と比べて労働生産性が高い結果が出た。

ITを活用している企業の労働生産性は、未導入・未実施企業と比べて高い

 個人・世帯の調査を見ていくと、インターネットを利用している個人の割合は83.5%(0.5ポイント増)。端末別の利用割合は、PCが58.6%、スマートフォンが57.9%で、2015年調査よりさらに差が縮まる結果となった。

 インターネットの利用状況は世帯年収が上がるほど高まる傾向があり、200万円未満は61.4%。400万円以上の世帯では8割を超え、600万円以上では9割という結果に。

 年齢別では、6〜12歳の低年齢層のインターネット利用率が初の8割超え。11年調査の61.6%から21.0ポイント増え、82.6%となった。

個人・世帯のインターネット利用状況

 スマートフォンを保有している世帯の割合は71.8%(0.2ポイント減)と調査以来初のマイナスに。だが、PCを保有している世帯の割合は73.0%(3.4ポイント減)と低下しており、両者の差は縮小している。スマートフォンを保有している個人の割合は上昇を続け、モバイル端末全体(携帯電話、PHS、スマートフォン)も上昇傾向にある。

 SNSの利用者の割合は、10〜60代の各年齢階層で上昇。最も割合が高いのは20〜29歳の76.6%だった。ソーシャルメディア(複数の人とインターネットでやりとりできる情報サービス)を活用している企業の割合は、全体では22.1%(1.3ポイント減)と微減したが、卸売・小売業、金融・保険業で約4ポイント上昇している。逆に、5ポイントと大きく減少したのがサービス業・その他だった。

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