人材サービスを手掛けるリクルートジョブズは2017年8月、週の最低勤務日数の条件が1日、もしくは2日という求人案件が全体の46%に達しているとの調査結果を明らかにした。
12年度の調査では約3割だったので、5年間で16ポイントほど上昇したことになる。勤務時間についても同様で、1日の最低勤務時間が短時間勤務(1〜3時間)の割合は、13%から20%近くにまで上昇している。
「プチ労働」とも呼ばれるこの働き方を希望する人の多くは時間的な制約からフルタイムの働き方ができない主婦層である。日本における女性の世代別就業率を見ると、30代で大きな落ち込みが見られる。
これは、出産をきっかけに企業を退職し、その後も子育てなどで忙しく、復職できない人が多いことを示している。その後、子育てが一段落すると就業する人が増えるので、女性の就業率はM字カーブと呼ばれることもある。
だが子育て世代の女性であっても、働きたいという気持ちがなくなっているわけではない。一部の大企業の社員を除けば、夫の給料だけで生活するのは楽ではなく、しかも労働者の実質賃金は減少が続いているため、生活環境は悪化している。条件さえ合えば、働きに出たいという人は多いはずだ。一方、子育て世代は時間的制約が厳しいのでフルタイムの勤務は難しい。プチ労働はこうした女性にターゲットを当てた勤務形態ということになる。
実はこうした勤務形態は、ホワイトカラーの一部の職種では以前から実施されていた。都内のあるコンサルティング会社では、事務職の募集を午前限定や午後限定など、時間帯を分けたところ、元銀行員や元商社事務職など、電話応対に慣れ、完璧なITスキルを持ったハイスペックな人材が多数応募してきたという。
こうした経験から、その後は、勤務時間や曜日を柔軟に設定するのが当たり前になったそうだ。統計上も知識労働の比重が高い業種では、プチ労働を実施している割合が高い。
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