カプセルホテルに似たホテルが、地方を再生させるかもしれない水曜インタビュー劇場(稼働率90%公演)(4/5 ページ)

» 2017年11月01日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

地方に進出する予定あり

土肥: 出店エリアをみると、都市部ばかりですよね。地方に進出する予定はないのでしょうか。

来海: 関東では、東京の中心部でしかつくらないのですか? と聞かれたら「大宮、高崎、浦和、赤羽などでもつくっていきたい」と答えます。じゃあ、地方はどうなのか。福岡の小倉はどうですか? と聞かれたら「できます」と答えます。なぜできるのかというと、都市と違って、地方で不動産を所有していても、テナントが入らない、賃料が安いといった問題があるんですよね。

 そこで当社ができることはなにか。東京のホテルの場合、1泊7000円で、坪3万円ほどの収益を見込めます。じゃあ、小倉の場合はどうか。テナントが入っても、坪5000〜6000円なので、東京の5〜6分の1。じゃあ、宿泊費も7000円の5分の1……1泊1400円になるのか。なりませんよね。4500円ほどでやっていける。都市と地方の間には不動産格差があって、それをうまく生かすことができれば、この事業は地方でもやっていけるでしょう。

空きビルにキャビンを並べるだけで宿泊施設になる

土肥: 具体的に、○○県に出店するといった話は進んでいるのでしょうか。

来海: 地方のホテルは同じようなモノをつくってきました。どんなマーケットであろうと、どんなキャパであろうと、施設内に立派な結婚式場があって、広い宴会場があって、いわゆるフルパッケージなんですよね。昔はそれでうまく回っていたのかもしれませんが、いまはうまく活用できていないホテルが増えてきました。そうした施設に、ファーストキャビンを入れるとうまくいくかもしれません。同じ建物のなかに、もうひとつのブランドがあるといった形ですね。単体で運営するよりも、一緒にやればさまざまなコストを引き下げることができるので、効率よくできる。

 こうした試みは和歌山のホテルで行う予定です。うまくいくと、地方で苦戦しているホテルを再生できるのではないでしょうか。

ファーストキャビンのラウンジ

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