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» 2018年01月18日 18時14分 公開

ワイヤレス充電で差別化:投球の「伸び・キレ」、スマホで分かる ミズノ“IoT野球ボール”の勝算

ミズノと愛知製鋼が“IoT野球ボール”を「ウェアラブルEXPO」に出展。投げたボールの速度や回転数を分析できるという。競合製品の「i・Ball Technical Pitch」とどのような点で差別化を図っているのだろうか。

[濱口翔太郎,ITmedia]

 ミズノとトヨタグループの素材メーカー、愛知製鋼は、展示会「ウェアラブルEXPO」(1月17〜19日、東京ビッグサイト)に、センサーを内蔵して投げたボールの速度や回転数を分析できる“IoT(モノのインターネット)野球ボール”「MAQ(マキュー)」を出展した。

photo ワイヤレス充電中の“IoT野球ボール”(=右)。硬式球(=左)とほぼ同じサイズ・質感だ

 捕手がボールを補球した際の衝撃を解析し、約2秒で球種や球質を算出。スマートフォンとBluetoothで接続し、結果を専用のアプリに表示する仕組みだ。プロ野球チームや高校野球の部活を主なターゲットとし、今春の商品化を目指している。

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photo ブースでの投球デモの様子

 内部に配した直径30ミリの樹脂ケースには、愛知製鋼が開発した超小型磁気センサーのほか、マイクロプロセッサ、メモリ、無線送信回路――などを収納している。ワイヤレス充電式電池も搭載しており、約8時間の充電で約40時間の使用が可能だ。

 想定価格は、ボール本体が1万9800円、ワイヤレス充電器が1万5000円(ともに税別)。

photo ボールの断面図

 センサーの精度は非常に高く、プロ野球チームのトレーニング施設に備わっている測定システム「トラックマン」とほぼ同等という。田中将大投手(米ニューヨーク・ヤンキース)などのトップ選手による約50回転/秒の投球も計測できるとしている。

 さまざまな精密機器を搭載しながらも、通常の硬式球と全く同じ重さやバランス、質感を再現し、プロ選手が違和感なく使用できる点が特徴。昨年の秋季キャンプでは東京ヤクルトスワローズと協力して実証実験を実施し、選手や監督、コーチ陣から「実戦で問題なく使用できる」との評価を得たという。

 ミズノの担当者は「長年にわたって硬式球を製造してきた当社のノウハウを結集した。多くのプロ野球チームに使ってもらいたい」(研究開発部)と意気込む。

ワイヤレス充電で差別化図る

 “IoT野球ボール”では、アクロディアとアルプス電気が共同開発した「i・Ball Technical Pitch(アイボール テクニカルピッチ)」が先行している。同製品は昨年末に発売後、予想を上回るヒットが続いており、アクロディアは今年1月15日に予想営業益を大幅に上方修正した。

photo 競合製品の「i・Ball Technical Pitch」=公式Webサイトより

 ただ、「i・Ball Technical Pitch」の電池は充電式ではなく内蔵式で、使い切り型だ。ミズノと愛知製鋼は、「MAQ」が繰り返し使える点をアピールする。

 ミズノの担当者は「充電が切れても導入コストが不要なのが『MAQ』最大の強み。海外の自主トレなどに携行してくれるプロ選手が増えればうれしい」(同)と期待を込めている。

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