コラム
» 2018年01月23日 07時35分 公開

熊本の地で60年:海藻の加工・販売で日本一 カネリョウ海藻、成長のワケ (1/4)

海藻の加工・販売業界で国内トップシェアを誇るカネリョウ海藻。1954年の創業以来、国内外で200もの仕入れ先を開拓し、海藻サラダに使われることもある「色もの」海藻で売り上げトップに、もずく、めかぶも売り上げ1位を記録した(※同社サイトより)。グループ企業と合わせて売上高は170億円。海藻の研究から商品開発、製造、販売までを一貫して手掛け、これほどの規模で事業展開する企業は業界内にほとんどない。成長の理由、今後の展開に迫る。

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株式会社ビズリーチ

 熊本市内から車で約40分。島原湾に面する熊本県宇土市にカネリョウ海藻はある。「より上質な海藻を」と市場、漁協、漁師など国内外200カ所以上から色もの海藻やもずく、めかぶを買い付け、今や年間2万トンもの海藻商品を販売している。

 強みはこの「仕入れ力」だ。足で探し、信頼関係を築き上げてきた仕入れ先があるから、たとえ不作で収穫量が少ない年でも安定して商品を供給できる。スーパーやコンビニエンスストアなど約1000社に卸す1500種以上もの製品の生産にいつでも対応が可能なのだ。

カネリョウ海藻の商品ラインアップ カネリョウ海藻の商品ラインアップ

 また品質を保ち、商品の安全性を高める加工技術を自社で開発しているのも大きな特徴だ。独自技術によるTHC(高木式加熱冷却機)で加熱殺菌することで、素材そのものの色や風味、食感を生かした加工に成功している。

 先代の社長夫婦2人だけで創業し、熊本県の名産「オゴノリ」の仕入れ、販売からスタートして約60年。独自の仕入れルートと加工技術、そして一軒一軒に電話をかけて契約を獲得してきた取引企業との絆を武器に、今後の海外展開に勢いをつける。

新工場完成直前に起こった震災

 国内の取引先が増えるにつれ、熊本本社工場以外の生産拠点が必要になった。興味を持ったのが宮城県だ。めかぶの一大産地であり、関東方面への流通の便も良い。元々あっためかぶ工場が立ち退く話を聞いて、すぐに工場設立に乗り出した。

 操業開始予定は2011年3月下旬。そこに、東日本大震災が起こる。「工場は山の上にあり津波の被害は受けなかったのですが、設備は修理が必要でした。立て直しまでは約3カ月かかる。新たに雇用した20人の従業員はただ待つしかありません。余震は続き生活の不安もあると聞いたので宿泊所を用意して熊本に呼び、工場稼働までの就労を可能にしました」と話す高木良將取締役。

 無事に工場が稼働し、めかぶ商品の生産は軌道に乗る。当初20人だったグループ会社の従業員は80人を超え、15年にはめかぶ部門だけで30億円以上を売り上げて業界のトップへとのぼりつめた。

熊本県宇土市にある本社。1954年に先代社長・高木良一氏(現会長)が個人で海産物卸売業を始め、67年に高木商店として海藻加工業をスタート。熊本本社工場、仙台工場、沖縄の協力工場で年間2万トンの海藻商品を生産。国内約1000社の取引先への販売、海外26カ国への輸出で年間70億円、グループ企業合わせて170億円を売り上げている。14年に「究極のこぶ茶」を開発、17年からは海藻コスメ開発も手掛けている 熊本県宇土市にある本社。1954年に先代社長・高木良一氏(現会長)が個人で海産物卸売業を始め、67年に高木商店として海藻加工業をスタート。熊本本社工場、仙台工場、沖縄の協力工場で年間2万トンの海藻商品を生産。国内約1000社の取引先への販売、海外26カ国への輸出で年間70億円、グループ企業合わせて170億円を売り上げている。14年に「究極のこぶ茶」を開発、17年からは海藻コスメ開発も手掛けている

 また、同社の看板商品「三陸宮城県産めかぶ」は第24回全国水産加工品創業品質審査会で出品総数722品の中から最高賞の農林水産大臣賞を受賞している。「私たちの工場が宮城県の雇用創出につながり、賞までいただけたことは震災後のうれしいニュースでした」

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