2018年の中国IT、家電メーカーが攻める山谷剛史のミライチャイナ(1/3 ページ)

» 2018年01月24日 06時00分 公開
[山谷剛史ITmedia]

 世界史の授業などで聞いたことがあろう中国の「5カ年計画」では、IT分野やハイテク分野の各テックトレンドについてもふれられている。たとえば、現在であれば2016年から数えて5年の2020年までに、5G(第5世代移動体通信)を商用化して普及させると言った目標が挙げられている。

photo ロボットも工業用、民生用それぞれの分野で続々と登場するだろう

 もうちょっと想像が容易な例を挙げれば、最近「アズールレーン」など中国産ゲームが台頭し、またIT企業大手のテンセント(Tencent、騰訊)が累計100億元をかけて自社プラットフォーム向けのコンテンツクリエイターを養成するという計画を実行しているが、一方で中国政府が発表した中国のアニメやゲームを含む文化事業に関する5カ年計画「文化部”十三五”時期文化産業発展規画」では、国際的競争力と影響力があるブランドや企業を育て、業界全体の底上げを行い、人材育成も積極的に行うという目標や、一帯一路の沿線国を中心に海外でコンテンツを展開していく──とも触れられている。

photo 家電量販店も今年変化が起きるかもしれない

 分かりやすい例としてサブカル産業を例に出したが、国の目標と企業の方針が同調している。5カ年計画は響きのいい言葉を並べたわけではないのだ。

 このように5カ年計画では、20年をめどに、各IT分野で世界最先端を目指すと同時に、中国主導による技術の標準化や、世界での一定のシェア獲得も目指すことが触れられている。18年はスタートの20年までの5カ年計画の中間地点だ。

 今年は、5カ年計画とは別に、折り返し地点となる16年から18年までの3カ年計画や、18〜20年までの3カ年計画も発表される節目の年ともなる。

 そこで、様々な18年までのIT系の3カ年計画をまとめると、年内にスマート家電産業を一定の段階まで成長させることが見えてくる。これは15年当時(特に全人代のタイミングに)、あらゆる産業にインターネット関連の最新技術を導入し、産業を効率化する「互聯網+(インターネットプラス)」が提唱されたことが影響している。スマートデバイスやスマート家電、工業用ロボットといったIoT(モノのインターネット)導入を、5カ年計画の中間地点となる18年の目標としたような感じをうける。

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