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» 2018年03月01日 06時00分 公開

多店舗出店の苦しみを乗り越える:「街のビール屋さんを文化にしたい」 100店舗出店に燃える (1/4)

お店で醸造した出来たてビールと食事を提供するブルーパブを東京・高円寺に2010年に開業。8店舗まで拡大させてきた経営者がこれまでの苦労と夢を語った。

[昆清徳,ITmedia]

 2010年にお店で醸造したビールをその場で提供する「高円寺麦酒工房」を夫婦で開業。順調に店舗を増やし続け、いまでは都内を中心に8店舗を経営する男性がいる。夢はいつでもどこでもビールを気軽に飲める文化を広げること。100店舗まで増やすことを目標にしている。

 男性は脱サラ後、自分が打ち込むべき仕事を見つけられずに苦しんだ。開業してからはがむしゃらに働いてきたが、規模を拡大していくなかで苦しみも抱える。自家醸造ビールに魅せられた男の人生を振り返る。

photo 新しくオープンした新宿店の前に立つ能村氏

 「ペールエール」「ベルジャンホワイト」「クリスタルブロンド」――。大手メーカーのビールしか飲んだことがない人にとっては、馴染みのない言葉が目に飛び込んでくる。注文すると店員がサーバーからビールを注いでくれる。ビールを飲むと口の中にはフレッシュな香りが広がる。価格は1杯あたり400〜500円台と庶民的だ。手作り感あふれる店内では読書をしながらゆっくりとビールを楽しむお客の姿が目に入る。休日の昼間に1〜2杯気軽に楽しんで1500円以下という価格設定だ。

 ここはJR高円寺駅から歩いて5分ほどの場所にある高円寺麦酒工房。2010年に能村夏丘氏(36歳)が妻と開業した店舗だ。店には醸造所が併設されており、従業員が日々新しいビールを仕込んでいる。市販されているビールにはない出来たてのビール風味を味わうことができるのが特徴だ。

 「その街のビール屋さんがつくったビールを地域の人が飲む。そんなことが当たり前になればいいと思うんです」

 地元客に愛される街のビール屋さんをあちこちにつくることで、気軽にビールを飲む文化をつくりたいというのが能村氏の夢だ。出来たてビールの風味は素晴らしいが、日持ちがしにくい。ビジネスモデルは街のパン屋さんに似ている。商圏は狭いが高頻度で購入してくれる地元客が一定数いる。

photo つくりたてのビールを提供する
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