風評ではなく、こうした経理における現実的な環境を理解、認識した上で、現状の経理社員が未来へ向けてどのようにして働き方をシフトチェンジしていくべきなのでしょうか。
今、そしてこれからの時代、会社が求めている経理社員というのは、経理の知識を披露してくれるだけの人より、「目の前の問題をすぐ解決してくれる人」「これから起こり得る問題を事前に察知して対応してくれる人」だと思います。「現状の赤字の対策をすぐ考えて具体的な作業を提案してくれる人」「新規事業のお金回りのワークフローなどをすぐ立てつけしてくれる人」、こうした、お金が関係する日々の会社の課題に対して積極的に関与し、実際に現場にも指導ができ、解決に導いてくれる人。そのような人であれば、どんなにAIなどの技術が発達しようが、経理という仕事を軽視する人がいようが、関係ありません。
組織というのは単純な話で、(自分たちにとって)いてほしい人、いてくれてありがたい人には、その人の仕事がどうであれいてほしいのです。反対に、とても大切な仕事、高度な仕事であったとしても、他者とかかわりが薄く、経営者が重要と認識していなければ、その人たちがどれだけ努力をしていたとしても、経営者が「あの仕事はいらない」と言えば、周囲の社員も「そうなのですね、分かりました」で終わってしまいます。
だから経理社員も、テクニカルなスキルの習得は日々の習慣として行い、これからはコミュニケーション能力などを高め、他者と融合して、自身や経理の役割を正しく認識していない現場の人たちや経営陣にも知ってもらう努力や行動をすることは必要でしょう。
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