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社内の人間が「褒め合う」には、どうすればいいのか社内報を活用せよ(1/4 ページ)

» 2018年07月06日 08時11分 公開
[常見陽平ITmedia]

特集:「褒め合い」が会社を変える

 厳しく指導して若手社員を育てる……という時代ではない。しかし、どのように部下と接したらいいか分からないという人も多いだろう。日本企業では、まだまだ「称賛」が浸透していないのが現状だ。

 「褒める」コミュニケーションをどのように実践すればいいのだろうか。難しく考える必要はない。「褒め合い」を上手に取り入れている企業の事例や専門家の話から、いま実践できる職場改革を考える。


 「お前の商談、マネジャー会議で話題になっていたぞ」

 今から21年前の出来事だ。筆者はリクルートに入社したばかりで、営業研修を受けていた。飛び込み営業やテレクリ(リストアップした営業先に片っ端から電話をかけること)などで疲弊していたころに、まったく違う課のマネジャーから声をかけられた。しかも、トイレで用を足しているときにだ。ほっこりしているときに、突然、自分が仕掛けている商談を褒められるので、言われる側としては印象に残る。

 しかし、この話にはオチがあった。同じ事業部の男子たちも、やはりトイレで褒められていたのだ。「ウチの会社のマネジャーって、トイレで若手に声をかけることがルール化されているのか?」という話になったのだった。

 いかにも「体育会系営業集団」「不夜城」と言われた“当時の”リクルート(この手の話をすると、現役社員からは今とは違うと言われるので、強調しておく)だったが、実は過剰なほどの「褒め」企業でもあった。いや、営業会議などでは徹底的に詰められる場面もあったので、ツンデレとも言えなくもないが、とにかく褒める、褒められるシーンが日常的にあったのだ。

 営業の朝礼では、各担当者の動きにスポットを当て、ものすごく褒めていた。フロアに営業担当からの受注報告の電話が入ると、「○○くん、A社さまより○○万円の受注です!」と報告され、フロアから拍手が巻き起こる。

 営業は四半期と、通期で表彰が行われる。その表彰も、単に「営業成績トップ、おめでとう!」ではなく、表彰状の文言まで愛と笑いに満ち溢れたものになっている。例えば、こんな感じだ。

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