日本人が「ある程度の暴力は必要」と考える、根本的な原因スピン経済の歩き方(1/7 ページ)

» 2018年09月11日 08時35分 公開
[窪田順生ITmedia]

 日本のいたるところで、ダイナミックな「暴力指導」が次々と明るみとなっている。

 不正融資問題で揺れるスルガ銀行では、目標が達成できない行員に対して、首根っこをつかまれて壁に押し付けられ、そのすぐ脇を殴るなどVシネみたいな脅しが横行していたという。また「オマエの家族を皆殺しにしてやる」などと『闇金ウシジマくん』みたいな脅迫をされた行員もいるという。

 数日前には、体操協会からのパワハラを受けたと訴えていた女子選手が、周囲がドン引きするくらいビンタされている映像も放送された。手を上げていたのは、「たたいてでも教えることが必要だと思っていた」と過去の暴力指導をお認めになっている速見佑斗コーチだ。そんな速見氏を輩出した日本体育大学でも、陸上部の監督が部員に対して、暴言を繰り返したり、足を蹴ってケガを負わせたりといった告発が週刊誌に出て、内部調査が進められている。

 少し前には、居酒屋バイトを辞めたいと申し出た大学生を、店長が自宅に押しかけてボコボコにするなんて衝撃的な事件もあった。「暴力は絶対ダメ」と誰もが口にしながら、ちょっと裏に回ると、鉄拳制裁や暴力指導が日常的に行われているのが、日本のリアルなのだ。

なぜ我々の社会は「暴力指導」を止められないのか(写真提供:ゲッティイメージズ)

 では、なぜ我々の社会は「暴力指導」を止められないのだろうか。

 答えは明白で、「人間が成長をする上で、ある程度の暴力は必要」という「幻想」というか「妄想」にとらわれている方が思いのほか多くいらっしゃることが原因だ。

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