業界3位に躍進した「日乃屋カレー」 リピーターを生む味の原点は“昭和の町中華”長浜淳之介のトレンドアンテナ(4/6 ページ)

» 2018年10月09日 10時21分 公開
[長浜淳之介ITmedia]

繁華街で大ブレイク

 神田カレーグランプリ優勝の効果をまざまざと見せ付けたのは、14年9月に出店した西新宿店だ。わずか9席でカウンターのみの店にもかかわらず、行列の絶えない店となった。ターミナル駅の繁華街で大ブレイクしたことで日乃屋カレーの評価が高まった。

 日乃屋カレーはFC(フランチャイズ)を基本に出店を重ねており、前出の湯島、神田、大手町、渋谷三丁目の4店以外は皆FC店である。

 立地や面積にもよるが、1店あたりの平均的な月商は370万円ほどである。大手町店は都心部のビジネス街という恵まれた場所にあり、旺盛なランチ需要で13席の狭さにもかかわらず月商500万円を計上している。

 FCオーナーは個人と法人が半々で、脱サラで始める人も多いという。物件取得費などを含めると1000万円ほどの投資が必要だが、成功する確率が非常に高い状況にある。ノアランドは、日乃屋カレーを気に入った人にオーナーになってもらいたいと考えている。同社と一緒に日乃屋カレーを広める同志を求めているのだ。

ロードサイドにも出店

 関西初出店となる播磨店は国道250号線沿いに立地している。初のロードサイド店でもあるが、想定の1.5倍ほどの集客となっている。テーブル席を中心とした46席ある広めの店舗で、新しい展開が見えてきた。

 「今までビジネス街に出店して、サラリーマン層をターゲットとしてきましたが、播磨店では家族連れにも受け入れられています。友達同士で来店したり、車を運転する仕事の人が利用したりするケースも多いですね。主婦の持ち帰りも増えています。ロードサイドでも成り立つ目処がつきました」(ノアランド店舗管理責任者の尾谷哲郎氏)。

 東京都府中市の分倍河原店は、京王線とJR南武線が交差する分倍河原駅の目の前にある。新宿や渋谷といった都心の繁華街ではなく郊外型の店舗だが、こちらも予想以上の売り上げがある。郊外のロードサイドや駅前でも集客ができていることに、同社では自信を深めている。

photo 東京都府中市にある分倍河原店

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