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» 2018年11月08日 06時30分 公開

池田直渡「週刊モータージャーナル」【番外編】:自らをアップデートする理系の生き方 (1/4)

日本独自の問題に、終身雇用の融通の利かなさがある。例えばエンジニアの場合、新卒から30年以上も1つのジャンルに縛り付けられることには問題がありすぎる。それを解決できる会社があった。

[池田直渡,ITmedia]

 日本の生産性を見るには1人当たりGDPを見るのが分かりやすい。本当は政府機関が分かりやすいグラフを出すべきだが、妥当なものが見つからない。個人が作成したグラフだと著作権があって勝手に引用できないので、興味のある人は「一人当たりgdp+日本+順位+推移」などで検索すると、さまざまな人がグラフを作成している。

 IMF(国際通貨基金)が公開している統計によれば、かつて世界第3位だった日本の国民1人当たりGDPは現在26位まで後退してしまった。それが何を表すかと言えば、日本人の生活が国際水準で見てどんどん貧困化しているということだ。それを止めたいのであれば、1人当たりの生産性を上げるしかない。そのために必要なのが「働き方改革」である。

労働流動性が低い日本

 さて、1人当たりGDPの落ち込みは経済的現象なので、もちろん原因はさまざまで、そう単純ではない。しかしながら、日本独自の問題として考えなくてはならないのは終身雇用の融通の利かなさだろう。

 例えばエンジニアの場合、新卒から30年以上にわたって1つのジャンルに縛り付けられることには問題がありすぎる。30年前、ソニーやパナソニックにエンジニアとして就職し、テレビ事業に配属された人はエリートだったはずだ。その日本の技術の象徴でもあったテレビ製造が今、ここまでの凋落(ちょうらく)を迎えていることなど誰が予想できただろうか?

目まぐるしく技術トレンドが変化する今の時代において、1つのジャンルに縛り付けられるようなエンジニアの働き方は問題ではないか?(写真提供:ゲッティイメージズ) 目まぐるしく技術トレンドが変化する今の時代において、1つのジャンルに縛り付けられるようなエンジニアの働き方は問題ではないか?(写真提供:ゲッティイメージズ)

 能力の高いエリートが、業界の衰退とともに沈んでしまうようでは日本の生産性は向上しない。生産性を上げるには、エンジニアを最初の配属先ジャンルと切り離し、常に適材適所に異動させるべきなのだ。

 切り離した後には、次に何を自分の専門にするかを会社任せにするのではなく、自分の頭で判断し、そのためには、新たに必要になる技術を勉強をし直すシステムがなければならない。それができれば常に生産性の高いジャンルにおいて、現役エンジニアであり続けることができるはずである。

 いつもならこのまま大所高所の話にどんどん進むわけだが、今回はちょっと趣を変えてみる。そういう変化の著しい社会の中でエンジニアとしてより安全性が高く、満足行く仕事ができる方法はないのかという、つまりは個人の生き方の話にフォーカスしようと思う。

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