東芝エルイートレーディングは、ラジカセ市場でシェアトップに位置する。この数年間でさまざまなラジカセを開発。盤石のラインアップが完成した……かに思われた。だが、18年に「TY-AK1」を世に出すなど、開発の手をさらに加速させている。
「TY-AK1」は、「TY-AH1000」の発売をきっかけにして開発されたというが、背後で何が起きていたのか? 「TY-AK1」の商品企画を担当した事業統括部オーディオ事業部の堀越務部長は、次のように語る。
「TY-AH1000は、ハイレゾ音源を手軽に聴きたいというニーズに応えるために開発して、よく売れました。しかしその一方で、『カセットテープの音も高音質で聴けるものはないの?』という声がありました」
声をあげた人の多くは、青春時代にカセットテープに親しんできた50代の人たちだった。彼らにとってカセットテープは音楽を超えた存在であり、タビングや編集の手間暇、音楽を聴いていたシチュエーションとともにつくられる思い出そのものである。
従って、ラジカセは単に音が出るだけではダメで、思い出がよみがえってくるような良い音質などでないと食指が動かない。こうして、カセットテープに思い入れがある50代以降の人たちをターゲットに、青春時代の思い出がよみがえる音質などを実現する「TY-AK1」を開発することにした。
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