ニュース
» 2018年11月30日 07時45分 公開

マネジャーが答えを出す時代は終わっている:フリーアドレスはもう古い 働き方を根本から変える「ABW」の破壊力 (1/5)

欧米の企業が相次いで「アクティビティー・ベースド・ワーキング(ABW : Activity Based Working)」という勤務形態を導入している。簡単にいうと、仕事の内容に合わせて働く場所を選ぶ働き方だ。ABWの創始者であるオランダのコンサルティング会社のマネジャーに、日本企業が働き方を変えて生産性を高めるためのヒントを聞いた。

[今野大一,ITmedia]

 最近、欧米の企業が相次いで「アクティビティー・ベースド・ワーキング(ABW : Activity Based Working)」という勤務形態を導入し、注目を集めている。ABWとは簡単にいうと、仕事の内容に合わせて働く場所を選ぶ働き方だ。例えば、集中する作業を静かな部屋でしたり、打ち合わせをソファでしたりするなど、フレキシブルに場所を選んで働くことができるのがABWの特徴だ。

phot 仕事内容に合わせて働く場所を選ぶ「ABW」を取り入れたオフィスのイメージ(以下、オフィス写真はイトーキ提供)

 そのABWの創始者であるオランダのコンサルティング会社Veldhoen + Companyで、アジア地区統括マネジャーを務めているヨランダ・ミーハンさんに、日本企業が働き方を変えて生産性を高めるためのヒントを聞いた。

phot ヨランダ・ミーハン。1998年PwC入社。主に人事に関わるコンサルティングを担当。2007年よりPhilipsに入社し、同社のグローバル人事戦略やプロダクトマーケティングに携わる。2017年よりVeldhoen + Company SEA Pte Ltdのマネージングパートナーに就任。Activity Based Workingの提唱者である同社で、人事、IT、ワークプレースなど、働き方に関するコンサルティングなどのサービスを展開。新たな働き方を市場に提案している

生産性を高めるABWという働き方

――欧米企業が取り入れている「ABW」とはどんなものなのでしょうか?

 人の活動ベースで働き方を考えるところに特徴があり、生産性を最大化させるための「働き方戦略」の一つです。さまざまな活動に適した空間をオフィス内に複数設け、その活動ごとに空間を使い分けることで、各活動の生産性を上げるのです。

 組織から与えられた場所と決められた時間の中で働くのではなく、社員一人一人が働く場所や時間の使い方、仕事の仕方を自ら考えながら働くことをABWは目指しています。

――社員が個々に机を持たない「フリーアドレス」にも似ていますね。ABWはフリーアドレスとはどんな違いがあるのですか?

 フリーアドレスは、オフィスの中でどのデスクを選ぶかということに終始してしまいがちですが、ABWは具体的に人がどういう行動をしているのかをベースにして、働く場所やツールを決めていきます。ABWの要素には(1)「物理的な環境」、(2)IT環境などの「テクノロジー」、(3)社員の「行動」という3つの軸があります。

 フリーアドレスはこの中の「物理的な環境」の側面しか見ていないのに対し、ABWは望ましい結果を出すために、ITなどのテクノロジーを使ったり、社員の行動を変えたりすることで、「いつでもどこでも」働けるように、働き方を変えるのが目的になっています。

 また、フリーアドレスは、確かに執務をするデスクを選ぶことはできますが、基本的には同じデスクの上でほとんどの仕事をします。一方ABWは、個々の活動がベースになってくるので、一つのデスクに限らずさまざまな場所で働くことを選択できるのです。

 集中したければ一人で集中できるスペースに移動することができますし、電話がしたければ電話ができる場所に移動もできます。よりクリエイティブな仕事をしたいときは、リラックスできる場所で働く方が、仕事は捗(はかど)りますよね。

phot アイデア出しにはクリエイティブな空間が必要だ
       1|2|3|4|5 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

職種特集

注目のテーマ

マーケット解説

- PR -

Digital Business Days

- PR -