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» 2018年12月31日 05時00分 公開

池田直渡「週刊モータージャーナル」:2018年に乗ったクルマ トヨタの「責任」とスズキの「義務」 (1/5)

この1年間に試乗したクルマで、特筆すべきクルマが6台ある。今回はトヨタのクラウン、カローラ・スポーツと、スズキのジムニーについて言及する。

[池田直渡,ITmedia]

 さて、先週記事にした「2018年に乗った特筆すべき日本のクルマ」の後編を、今年最後の記事としたい。

 この1年間に試乗したクルマで特筆すべきクルマは以下の6台だ。CX-8は厳密に言えば2017年になるが、タイミング的に18年のクルマとしてカウントした。

マツダ・CX-8 12月14日発売

スバル・フォレスター 6月20日発売

ダイハツ・ミラ・トコット 6月25日発売

トヨタ・クラウン 6月26日発売

トヨタ・カローラ・スポーツ 6月26日発売

スズキ・ジムニー 7月5日発売

 CX-8、フォレスター、ミラ・トコットについては前編で書いた。残るはトヨタ自動車の2台とスズキの1台。後半で取り上げるクルマは期せずして、社会的意義の大きいクルマになった。

豊田章男社長も驚いた新型クラウン 豊田章男社長も驚いた新型クラウン

 マツダやスバルのクルマを買う人は、おおむね本人の意思で選ぶ。あるいは熱心なファンの強力なプッシュで。いずれにしても「よく分からないけどコレ」という人はあまりいない。何らかの選択プロセスを経て、そのクルマを指名買いする人たちだ。

 だが、トヨタにはそういう買い方ではない顧客が大量にいる。「よく分からないからトヨタを買っておこう」とか「トヨタなら安心だから」という人たちだ。それはトヨタブランドに対する信頼と言っても良いだろう。

 そうやって買われるからこそトヨタの責任は重い。例えば、ヴィッツやアクアは、会社から営業車として与えられることも多い。プロボックスやハイエースはなおさらである。こうしたクルマは乗る本人が選ぶわけではない。たとえペダルのオフセットが酷かろうが、ブレーキフィールがとんでもないことになっていようが、あてがわれたクルマに乗るしかない。さすがにプロボックスやハイエースはそれなりにちゃんとしているが、ヴィッツとアクア、特にアクアはいろいろと酷い。

 逆に言えば、トヨタのクルマが良いものになれば、日本中で働く多くの人たちの労働環境が改善される。筆者はことあるごとにトヨタの人たちに「ヴィッツとアクアを早くTNGA世代に更新すべきだ」と訴え続けているが、その理由は上記の通りだ。

 という流れの中で、クラウンとカローラ・スポーツはどうなのか? TNGA世代初のFRシャシーであるクラウンは、クラウン単体の話ではなく、今後レクサスブランドのFRモデル全てのベースになる。つまりトヨタのプレミアム系車種全体の礎になるのである。

 カローラはどうか? すでに北米ではセダンが発表されており、ハッチバックのカローラ・スポーツを起点に、セダン、ワゴン、SUVと発展していくだろう。カローラの属するクラスをCセグメントと言うが、これはグローバルで見たときはまさに乗用車のど真ん中に位置する。日本では大して売れないかもしれないが、トヨタにとって世界を向こうに回して戦う最激戦区に投入する商品である。

 そしてクラウンもカローラも、製品が良ければ世界中の多くの人を幸せにできるクルマであり、悪ければ多くの人を不幸にするクルマだ。

 一方でジムニーはと言えば、これも重大な責任を担っている。世界には、ジムニー以外のクルマでは行けない場所がある。コンパクトで軽量。かつ最高の踏破力を備えるクルマがないと生活できない場所で生きている人がいる。こういう人たちの生活を支えるためにはジムニーは絶対に後退を許されない。質こそ違えども、3台がそれぞれに重責を担っているのだ。

 それではそれぞれ個別に見ていこう。

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