例えば、今回注目を集める大戸屋。バイトの口コミサイトなどでは、「マニュアルがあるので初心者でも安心」というような評価をなされていて、「働きやすい職場」のイメージが強い。が、問題はそのマニュアルの「量」だ。
「マニュアルは全200ページほどにも及び、約30品目あるグランドメニューや期間限定メニューすべてのレシピが記載されていた。」(週プレNEWS 2015年5月19日)
ここで先ほど遠い目をした元バイトのおじさんたちにうかがいたい。皆さんがバイトをしていたときに、こんなにたくさん「覚えること」はあっただろうか。
昔と違って今のバイトは、覚えることが多い(写真提供:ゲッティイメージズ)
今のバイトはこのようなマニュアルを読み込み、DVDを自分で視聴しながら、先輩や社員から手ほどきを受ける。そして、さらに多くの外食やコンビニが必ず掲げる「笑顔でおもてなし」「真心の接客」を求められる。
つまり、「初心者歓迎」「誰でもできます」と最低賃金からちょこっと上乗せしたくらいの時給で、最高のサービスと接客を要求される。それが、日本の非正規労働者なのだ。
そこで想像していただきたい。ただでさえ、このようなハードワークを日夜強いられている人々が、心ない一部のバイトが問題を起こすたび、勉強せよ、研修を受けろと言われたら。
完全にキャパシティを超えてしまうのではないか。
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