なぜ「翔んで埼玉」はセーフで、「ちょうどいいブス」はアウトなのかスピン経済の歩き方(1/5 ページ)

» 2019年03月26日 08時00分 公開
[窪田順生ITmedia]

 最近、「自虐」を前面へ押し出すことで、世間の関心を集める、いわゆる「自虐マーケティング」が大盛り上がりしている。

 埼玉の自虐ネタをふんだんに盛り込んだ映画『翔んで埼玉』は興行収入25億円を突破、観客動員数も193万人に達するなど快進撃が続いているのは、ご存じの通りだ。

 また、あまりにぶっ飛んだ企画や広告を次々と仕掛けて、「どこいくねん、ひらパー」と自らツッコミを入れる、大阪府枚方市のテーマパーク「ひらかたパーク」の来園者は2年連続で120万人を超えている。

 そんな「ひらパー」の成功にあやかったのか、三重県志摩市の「志摩スペイン村」まで公式サイトで「自虐PR」を始めた。客が少ないことを逆手に「並ばないから乗り放題」、さらに園内にいるキャラクターについて、「どこぞの施設ではありえない2shotも取り放題!」というアピールが、SNSなどで「清々しい」「行ってみたくなった」と評価されている。

埼玉の自虐ネタを盛り込んだ『翔んで埼玉』 が話題に(写真提供:ゲッティイメージズ)

 という話を聞くと、「じゃあ、ウチもさっそくやってみよう」と思いたつマーケティング担当者も多いかもしれないが、気をつけていただきたいのは、この自虐マーケティングには決して踏んではいけない「地雷」があるということだ。

 それを理解せずに安易な自虐に走ってしまうと大火傷、最悪、世間からボコボコに叩かれて、謝罪に追い込まれてしまうこともある。

 では、そんな恐ろしい「地雷」とは何かというと、「女性」だ。女性をテーマにした自虐ネタや、SNSのキャンペーンなどは、かなりの確率で失敗しているのだ。

自虐ネタ満載の『翔んで埼玉』 がヒットしている(C)2019映画「翔んで埼玉」製作委員会
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