コロナ禍による緊急事態宣言中の5月には、クラウドファンディングのFUNDINNOを使い、約2500万円の資金調達も果たした。FUNDINNOは日本クラウドキャピタル(東京都品川区)が運営するクラウドファンディングサービスだ。
クラウドファンディングというと、ユニークな商品やサービスを事前購入する形のCAMPFIREやMakuake、READYFORなどが有名だが、FUNDINNOは株式投資型のクラウドファンディングだ。10万円程度から企業に出資し、株式や新株予約権を得る。後に投資先の企業がIPOしたり、M&Aなどで企業売却したりすれば、大きなリターンが得られる。未公開株投資やエンジェル投資と言われる領域に、少額でネットから申し込めるところに特徴がある。
日本クラウドキャピタルCMOの向井純太郎氏は、次のように話す。
「コロナ禍のタイミングで、資金調達にFUNDINNOを使ってもらったのには意味がある。なかなか人に会えない、会えてもスピードが遅くなる。オンラインミーティングをフル活用して、さらにネットから資金も集めていただいた」
いいオフィスがFUNDINNOとのやりとりを始めたのは4月上旬。そこからわずか1カ月後の5月13日には案件を開示、5月21日には投資家からの出資を募った。そして3日後の23日には、154人から2475万円を集めた。
龍崎氏は、クラウドファンディングを利用することの最大のメリットはファンの獲得だと言う。「2500万円は大きいが、お金よりもファンだ。クラウドファンディングの最大の意義はファンが作れることにある」
株主であるがゆえに、いいオフィスの成功を一緒に望んでくれる。新しいビジネスモデルへの理解もある。「クラウドファンディングの利用者(出資者)は、ITの知識に長けていて、投資意識の強い人。普通のサラリーマンより上の層だ」(龍崎氏)
こうした株主に対して、出資完了後に初めて明かした特典もある。FCに渡していた使い放題プランの販売権を、出資者にも提供した。利用者を開拓すると、月額料金の7.5%が継続的に得られる権利だ。出資者の中には企業経営者もおり、自社で入会すれば、その7.5%が戻ってくることにもなる。
「クラウドファンディングのメリットの1つはファン投資家。投資家でユーザーになってくれるケースはあまりないが、株主でありかつユーザーになってくれるのは魅力だ」と向井氏は話した。
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