宅配便数が過去最多に! 配達効率89%向上のDXアプリで人手不足解消なるか約6000人が利用(2/5 ページ)

» 2021年04月12日 08時00分 公開
[小林香織ITmedia]

約6000人の配達員が利用する配送効率化アプリ

 TODOCUサポーターは、配達員に向けたIT活用による業務効率化アプリだ。伝票の写真を撮るだけで氏名や住所などの配送情報がアプリ内に読み込まれる「画像認識サポート」、最も効率的な配送ルートをAIが表示する「配送順サポート」、SMSを通じて受け取り主に在宅回答を依頼する「在宅回答依頼送信機能」、表札情報まで表示される「ゼンリン住宅地図機能」など、全11の機能で配達員の業務効率化を図る。

配達員が在宅回答を依頼すると、受取人は「在宅中」「不在中」「置き配を依頼」の3つのオプションから選択して返答できる
アプリ上に表示されるマップのイメージ。〇は在宅、×は不在、置は置き配依頼を意味する

 在宅回答依頼送信機能システムは特許を取得しており、TODOCUサポーターの効率効果もすでに実証済みだ。19年9〜12月に品川区、大田区、目黒区で3万件の配達に同アプリを利用したところ、40%の受取人から在宅に関する回答が得られ、作業効率が89%向上したそうだ。荷物1個あたりの配送時間を約半分に短縮できたことになる。

 ゼンリン住宅地図機能は毎月1600円を支払う有料機能となり、SMSメッセージの送信には送信料金がかかるが、それ以外の機能は無料で利用できる。19年11月のサービス開始から口コミを中心に認知が広がり、現在は約6000人の配送員が利用しているそうだ。

 「業界構造上、配送員の約7割が個人事業主として働いており、彼らの報酬は配送完了荷物数によって決まります。TODOCUサポーターの利用により、業界経験が浅い方でも配達前の準備時間を削減する、再配達を減らすなどの効率化を図ることができ、使い始めて報酬が30%アップしたという声も聞きました」

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