年内に100店舗を計画 「相席屋」が事業を急拡大している理由:7月から新サービスも(1/4 ページ)
最近、繁華街で居酒屋チェーン「相席屋」の看板を見る機会が増えていないだろうか。2014年に1号店をオープンして以来、破竹の勢いで右肩上がりに売り上げや店舗数を伸ばしているのだ。さらには「マッチング」をキーワードに新たなサービスにも乗り出した。同社の取り組みに迫る。
ワタミなどの大手外食チェーンが混迷を深める中、破竹の勢いで右肩上がりに売り上げや店舗数を伸ばしている外食ブランドがある。飲食店の運営や企画、コンサルティングを手掛けているセクションエイトが展開する「相席屋」だ。
相席屋は2014年3月、東京・赤羽に1号店をオープンして以来、順調に店舗数を増やし、2016年3月に75店舗を突破した。今年中に全国47都道府県での展開と、累計100店舗を目指している。さらには今月からマッチングをキーワードに、“真面目”な新サービスもスタートした。
運営会社であるセクションエイトは、その名を耳にしたことはなくても、セクシー居酒屋「はなこ」という店舗ブランドにピンと来たビジネスマンの読者諸氏は多いかもしれない。実は、はなこを運営していたのが同社である。
相席屋とは、初対面のお客同士で同じテーブルに相席することで、新しい発見や出会いを楽しむという店だ。同性同士2人以上での入店がルールとなっている。さらに特徴的なのは、通常の飲食店とは違う料金体系だ。男性は平日30分食べ飲み放題で1500円(税別)、女性は食べ飲み放題が無料(一部有料の食べ物もあり)という、これまでの業界の常識を覆す設定となっている。
7月の平日18時前、相席屋渋谷2号店を訪れてみた。料理はビュッフェスタイル、ドリンクもお客自ら作るようになっている。料理の横には場を盛上げるためのゲーム(カードゲームや「黒ひげ危機一発」など)も置いてある。席は半個室のように区切られており、それぞれに携帯充電用のコンセントも設置してある。客層は店舗によって多少異なるとのことだが、渋谷・新宿エリアは男性が20代後半、女性は20代前半が多いという。実際、この日もオープン間もないにもかかわらず、既に若い女性たちで賑わっていた。
そんな相席屋も、1号店となる赤羽店でのスタートは順調とはいかなかった。業界初の「女性無料」と、「出会い」というキーワードが、逆に怪しさと、入店しにくさを感じさせてしまったのだ。この負のイメージを払拭(ふっしょく)するまでに少し時間を要したが、徐々にクチコミで広まり、メディアでも取り上げられるようになってからは、一気に成長軌道に乗った。
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