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年内に100店舗を計画 「相席屋」が事業を急拡大している理由:7月から新サービスも(2/4 ページ)
最近、繁華街で居酒屋チェーン「相席屋」の看板を見る機会が増えていないだろうか。2014年に1号店をオープンして以来、破竹の勢いで右肩上がりに売り上げや店舗数を伸ばしているのだ。さらには「マッチング」をキーワードに新たなサービスにも乗り出した。同社の取り組みに迫る。
安全な出会いを提供する仕掛け
相席屋が店舗展開する一方で、数年前に大流行した「街コン」など出会いを目的としたイベントはどんどん少なくなってきている。最近は人数が集まらないなどで開催前日にイベント中止に追い込まれる事態も起きている。街中に相席屋ができることで、若者たちはこれらのイベントに参加するよりも、新しい出会いをより身近にすることとなった。
この成功の背景には、現場スタッフの細やかな気遣いと、ブラッシュアップし続けてきたシステムがある。渋谷2号店店長に話を聞くと、また来店したいと思ってもらえるよう、男女それぞれの要望を聞いて、できるだけそれに応えるように相席する相手を選んで配置するという。仮に合わない相手だったときのために、「席替え希望カード」というものも用意した。これは、お客の「もっとたくさんの人と相席したい」という要望に応えるためのもので、男女それぞれが使用できる。
また、相席して連絡先を交換する際、特に女性は、電話番号やSNSアカウントを教えるのに抵抗があるということを解決するために、アプリ内で連絡を取り合える相席屋専用アプリを作成した。これらの取り組みやスタッフの気遣いが相席屋のブランド力を高め、質の高い健全で安心な出会いの提供、そして出会いのハードルを下げることに成功したのだ。
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