年内に100店舗を計画 「相席屋」が事業を急拡大している理由:7月から新サービスも(3/4 ページ)
最近、繁華街で居酒屋チェーン「相席屋」の看板を見る機会が増えていないだろうか。2014年に1号店をオープンして以来、破竹の勢いで右肩上がりに売り上げや店舗数を伸ばしているのだ。さらには「マッチング」をキーワードに新たなサービスにも乗り出した。同社の取り組みに迫る。
日中は「相席就活」
その相席屋が2016年に入って新たな展開をスタートした。7月某日、お昼前の相席屋秋葉原店で「相席就活」なるイベントが開催された。簡単に説明すると、就職活動中の学生と企業のマッチングイベントだ。夕方から営業する店舗の昼間の空き時間を活用したもので、学生は普段着OK、ドリンクも飲み放題という。
この日エントリーしていた学生は約250人。有名大学の学生も多数参加していた。企業はというと、上場企業からベンチャー企業まで多種多様な業界から13社が参加。店内は常に盛り上がっていた。
世の中に就活イベントはほかにもたくさんあるが、相席就活では普段着のリラックスした雰囲気で行うため、学生の本質を見ることができると、参加企業担当者が話してくれた。一方、参加学生は、一般的な会社説明会よりも近い距離で深い話を聞けるのが良いという。このイベントを通じて、それまで興味がなかった業界に興味を持つようになったという声も聞かれた。
このイベントのもう1つの特徴は、企業と学生の相席だけでなく、学生同士の相席も積極的に行っていることだ。就職活動という同じ立場にいる学生同士がつながることで、さまざまな情報交換ができ、同じ境遇だからこそ分かり合える関係を築くことができる。実は、このイベントに参加している学生の9割が、相席屋を利用したことがないという。こういったイベントで実際に店舗を見てもらうことで、安心感を与え、次はお客として店舗へ来てくれることにも期待できるというのだ。
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