「ザ・ノース・フェイス」人気のゴールドウイン、大幅上方修正 株価も好調:中期目標も引き上げ
「THE NORTH FACE」などを展開するアパレルメーカー、ゴールドウインが19年3月期の通期業績予想を上方修正。純利益が従来予想比18.9%増となる63億円になる見込み。同ブランドなどが人気だった。中期経営計画の数値目標も引き上げる。
「THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)」「HELLY HANSEN(ヘリー・ハンセン)」などのアウトドアブランドを展開するアパレルメーカー、ゴールドウインは11月6日、2019年3月期通期の連結業績予想を上方修正し、純利益が従来予想比18.9%増となる63億円になる見込みだと発表した。前期は51億7400万円だった。
売上高は6.7%増の800億円(前期は704億2000万円)、営業利益は21.3%増の91億円(前期は71億200万円)を見込む。
中期目標も引き上げ
17年3月期〜21年3月期にかけて掲げる中期経営計画の数値目標も上方修正し、連結売上高を当初目標から100億円増となる900億円、連結営業利益を45億円増となる110億円、連結経常利益を42億円増となる115億円に引き上げる。
売上高こそ未達だったものの、18年3月期に営業利益・経常利益の数値目標を3年前倒しで達成した点と、19年3月期の進捗(しんちょく)状況が堅調であることから目標値を上方修正する。
上半期の連結業績、株価も好調
同日発表した18年4〜9月期の連結業績は、売上高が前年同月比16.2%増の334億500万円、営業利益が2.2倍の31億2800万円、純利益が46.8%増の15億6300万円だった。
「ザ・ノース・フェイス」「へリー・ハンセン」などの春夏商品の売れ行きと秋冬商品の立ち上がりが順調だった点が増収につながった。新たに取り扱いを始めた防寒ブランド「WOOLRICH(ウールリッチ)」も好調に推移した。
直営店やネット通販による自主管理型売上の拡大、調達原価率の低減、スポーツブランド「elesse(エレッセ)」「Speedo(スピード)」「DANSKIN(ダンスキン)」の販売ロスの削減などにより、大幅な増益を実現した。
今後は、11月8日に開業予定の複合施設「丸の内二重橋ビル 二重橋スクエア」(東京都千代田区)内に、社名を冠したアウトドアブランド「Goldwin」初の直営店を出店することも決まっており、ラインアップの強化を図っていく方針だ。
好決算と一連の上方修正を受け、同日の東京株式市場では同社(東証1部)の株価が急騰。午後0時35分現在で、前日比1110円増(+13.0%)の9670円を付けている。
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