―― 先日、OPERA日本語版の販売権がトランスウエアからライブドアに移りました。しかし、トランスウエアから5月21日に出されたリリースでは、
の2点について、書面による正式な通知をOpera Software ASAおよびライブドアから受け取っていないとしています。なぜこのようなことが起こってしまったのでしょう?
テッツナー 正直言って、私たちも非常に驚き、かつ困惑しています。そもそも今回の話は、トランスウエア側からOPERA国内販売の契約を解除したい旨の申し入れがあり、そのときにトランスウエアからライブドアを紹介されたのです。その後、3社間で何度も協議しています(関連リンク参照)。ノルウェーにも2社にお越しいただいて話し合いをしたこともあるのです。
にも関わらず、あのような誤解を招きかねないコメントが出されたことについては、私たちとしても非常に残念に思っています。また、ユーザーの皆さまを混乱させてしまったことにも心が痛みます。
―― 話を聞くと、トランスウエアは契約を解除したいと思っていたようですね。それなのにこのような状況になったのは、話し合いの過程で何か問題があったからではないですか?
テッツナー 私たちとしては正式なステップで物事を進めたと考えており、そこに問題があったとは思いません。トランスウエア側には、紳士的に今回の件の真意を聞く努力はしたのですが、結局それを聞くことはできませんでした。とはいえ、今はクリアな形になったと考えています。
―― サポートの面はどうなりますか?
テッツナー トランスウエアからライブドアへの個人情報、およびテクニカルサポートの移行は行われません。「Opera 日本語版」をトランスウエアから購入されている場合、livedoor Operaで再度ユーザー登録を行っていただくことで、ライブドアによるテクニカルサポートの対象となります。
―― テッツナーさんの目にはライブドアはどのように映っていますか?
テッツナー ライブドアについては以前から注目していました。物事の決定までの時間が短い非常にアグレッシブな企業だと思います。現在は、非常に強力なパートナーであると考えています。その意味では、今回ライブドアにOPERA日本語版の国内販売権を移管したことは、非常に満足しています。
―― 5月の時点では、7月ごろを目処に次のバージョンを予定しているということでしたが、次のバージョンのリリース予定はどうなっていますか?
テッツナー 正確なリリースのタイミングは残念ながらここでは言えませんが、「もう間もなく」と言っておきましょう。すでにご存知のようですが、次のバージョンは「X+V」(XHTMLとVoice XMLを組み合わせたもの)のほかにも、いくつかの機能を盛り込む予定です。
―― 結局のところ、X+Vでユーザーのブラウジングはどう変わるのでしょうか?
テッツナー 私たちは最先端の機能をいち早く実装することに興味を持っていますし、そうすることが私たちのビジネスをうまく進める方法のひとつであると考えています。
もちろん、X+Vを搭載したからといって、そうしたブラウジング方法に移行してしまうというわけではないでしょう。しかし、X+Vを実装することでOPERAの活躍の場がさらに広がると思います。例えば、ハンディキャップがある方、自動車の運転中など、従来のWebブラウザが想定していない場面での使用ですね。
―― 欧州では欧州委員会がMicrosoftに厳しい裁定を行っています(3月25日の記事参照)。あそこで問題となったのはWindows Media Playerですが、同様の議論はWebブラウザでも行われるべきだと思いますか?
テッツナー この件についてはコメントしづらい部分もありますが、言えるのは、ユーザーから見た場合、代替品が必要であるということです。ActiveXに対抗する新技術の開発を発表したのも、代替品が必要であると考えている現われです。Microsoftに関しては、W3Cに準拠する努力をするであるとか、OSと分離させた形で提供するなどの方法は検討されて然るべきものではないでしょうか。
―― ここ1年の目標はどこに据えていますか?
テッツナー ポジションとしてはMSのコンペティター、目標としてはとりあえず「強力な2番手」ですね。ブラウザの専門メーカーとして、さまざまなデバイスにフルブラウザを提供したいと思います。
7月22日にはライブドアとの共同記者発表会が予定されている。一連の騒動の説明が行われるとともに、今後の展開についてテッツナー氏から語られることになるだろう。
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