日韓の公的機関が情報セキュリティ分野で協力――IPAとKISAが提携

IPAは、韓国のKISAと情報セキュリティ分野で提携した。ブロードバンドの普及した日韓両国の公的機関が協力することで、国際社会の情報セキュリティ向上にも貢献したい考え。

» 2004年07月28日 14時00分 公開
[ITmedia]

 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は7月28日、韓国の情報保護振興院(KISA)と情報セキュリティ分野で提携したと発表した。インターネットトラフィック異常の早期検知・対策方法、情報セキュリティに関する技術開発の方向性、普及方法などで情報交換を行う。

 KISAは、韓国における情報セキュリティ対策を総合的に担う政府系機関。韓国での情報セキュリティに関する研究・開発、普及・啓蒙、インシデントレスポンス活動などを行っている。

 IPAとKISAは、具体的に(1)情報セキュリティ対策/政策、(2)情報セキュリティの普及・啓蒙、(3)情報セキュリティに関する調査・研究、(4)情報システムの脆弱性分析、(5)情報セキュリティ製品の認証、(6)暗号技術――で情報交換を進める予定だ。

 提携に当たってIPAの藤原武平太理事長は、「情報セキュリティはひとつの国だけで解決できる問題ではなく、有効な情報セキュリティ対策を実施するには、グローバルな視点から、さまざまな海外機関との情報交換がますます重要になる」とコメント。

 また、KISA院長の李弘燮(リ・ホンソプ)氏は、ブロードバンドの普及率の高さゆえに大きな被害をこうむったSlammerの一件に触れ、高度情報化社会においては、「情報システム事故は一国だけに止まることなく、すかさず隣国に広がっていく。また、サイバースペースのインシデントが現実空間に波及し、物理的被害や人的被害までもたらす可能性が高くなってきた」と警鐘を鳴らしている。

 今回の覚書締結は、そうしたボーダレスなインシデントに備え、安全性、信頼性の高い高度情報社会の発展を加速化する第一歩といい、世界的に見てもブロードバンドが普及した日韓両国の公的機関が協力することで、広く国際社会の情報セキュリティ向上にも貢献したい、としている。

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