7分で分かる7月のBlog界dev blog/CMS(1/2 ページ)

2004年の7月はアツかった。それはBlog界もいっしょ。JUGEMの騒動を始め、MTの新版正式公開、多くのサービスがデザイン機能などを拡張。移り気なユーザーを引き留める仕掛けが目白押しだった。

» 2004年08月03日 16時16分 公開
[森川拓男,ITmedia]

 今年の7月は、記録的な猛暑で「世界でいちばん暑い夏」となったが、Blogにおける夏もまた、アツイものとなった。

 昨年から今年にかけて、大手企業から個人運営のものまで、さまざまなBlogサービスが開始されているが、その幾つかのサービスがこの7月にサーバ増強や有料サービス開始などを告知していた。その中でも、個人運営だった「メモライズ」を吸収する「livedoor blog」と、ベータテスト版を正式版へと移行する「JUGEM」に注目が集まった。JUGEMは、メモライズの移行ツールも準備しており、いったいどこのBlogサービスがメモライズのユーザーを取り込めるのかが、さまざまなBlogサービスが混在する中で注目されていたのだ。

不幸にもサービスダウンに注目が集中

 その最中に発生したのが、7月16日に報じたJUGEMのベータテスト移行に始まる一連のトラブルだった。

 2004年2月にベータテスト版をスタートさせたJUGEMは、7月6日に正式版をスタートさせた。その際、ベータテスト版はそのまま稼働しながら、正式版を別に稼働させるという形態を取った。しばらくの並行運用期間を設けたのだ。しかし、結果的にはこの運用が、墓穴を掘ることになる。7月14日、ベータテスト版から正式版へのデータ移行の最中に、正式版のデータが消失する、という一大トラブルに見舞われた。

 ユーザーからすれば、6時間ほどで終了するとアナウンスされていた移行作業が一向に終わらず、状況説明すらない状況にいらだっていた。直接ユーザーにメールが届いたのは、当日の夕方になってから、それも遅れのお詫びだけだ。データ消失についての報告は、翌日の昼になった。それから長期間のメンテナンス作業に忙殺されることになる。一連の対応の不手際と、paperboy&co.社長Blogにおける軽口が反感を呼び、一部ではお祭り状態になってしまった。社長自身は謝罪の言葉を発表したが、発言自体はコピーされて独り歩きする。ネット上での発言の「重さ」を感じさせる出来事だった。なお、現在では、JUGEMは一部機能を除き、正常化している。

 さて、このJUGEMの騒動を受けて、他のBlogサービスでも動きがあった。Blogサービスでは、スタッフのBlogを公開しているが、幾つかのスタッフBlogでは、明らかにJUGEMの騒動を受けての書き込みが多かった。7月27日に報じたように、「Seesaa」はJUGEMからの移行ツールを発表した。有料版「livedoor Blog PRO」でもJUGEMデータをMT(Movable Type)形式に変換することでインポート可能としている。

 ユーザーも黙ってはいない……。

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