IBM、IAサーバにメインフレーム技術を取り込む

日本IBMは、eServer xSeriesで、Intelが発表した64ビットプロセッサであるEM64Tを搭載した新モデルを発表した

» 2004年08月03日 19時46分 公開
[ITmedia]

 日本IBMは8月3日、記者向けのブリーフィングを行い、インテルアーキテクチャ(IA)を採用したサーバ製品群のeServer xSeriesで、インテルの64ビットプロセッサであるEM64T(Extended Memory 64bit Technology)を搭載した新モデル群を発表した。

 同製品は、IBMがメインフレームで蓄積した技術をIAサーバに盛り込み、処理量に合わせてマシンを増減させるスケールアウト型のサーバ向けにデザインされていることが特徴。新しい設計思想を「Xtended Design Architecture(XDA)」と名づけて展開していくことも併せて明らかにした。

新たな設計思想「XDA」に基づいて開発されたサーバ。障害の発生などを知らせるLight-Pathが前面にドロップダウンしている。

 同社アジアパシフィックサービス株式会社IAサーバ&PWSディレクターの藤本司郎氏は、「業界標準であるIAにメインフレームのさまざまな技術を加えることで、拡張性や可用性に関して顧客の不安を取り除く」とXDAについて話す。

 インテルのEM64Tは、IA32互換に加え、64ビット拡張モードも追加されており、64ビットOS上で32ビットのアプリケーションがそのまま稼動できる。32ビットと64ビット環境が共存できるプロセッサとして、既に一定の評価を得ているAMDのOpteronを意識した製品とも言われる。

 IBMとしては、インテル系のプロセッサを搭載するいわゆる「標準製品」を搭載するxSeriesを、より64ビット環境にフィットさせると同時に、メインフレームの技術力を盛り込んで他社との差別化を図る考えだ。

XDAで具体的には何が変わるのか?

 具体的には、ホットスワップ機能を中心とする2重化の仕組みがメインフレームから継承されている。電源やファン、PCI-Xの冗長構成、8個のDIMMスロット、さらに、ハードディスクも、RAID5に対応、多くのディスクを搭載することで高速処理が可能になる。空冷には新たに「Calibratd Vectored Cooling」を採用した。

 また、障害が発生した箇所をLEDで視覚的に表示するLight-Pathを、サーバの前面部分にドロップダウンできるようにしたことも、細かいながら、管理性を追及した結果として紹介されている。

 なお、この日発表されたのは、11のサーバ製品と4つのワークステーション。

 このうち、x346は、Xeon EM64T 3.2 GHz/3.6GHz搭載の2ウェイのラックサーバ。最大16ギガバイトのDDR2メモリー、オンボードRAID 0、1、1+0対応で、価格は41万7900円となっている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ