Visual Studio 2005の日本語版ベータが、広く提供開始された。同アプリケーション開発ソフトのレビュー後編となる今回は、Visual Basic 2005のトピックと、ClickOnceについて集中解説していこう。
デベロッパー「dev .NET」特集Visual Studio 2005レビューの前編では、全体の変更点や拡張された機能を幅広く紹介した。今回のバージョンで新たに加わるExpressについても位置づけを解説している。
今回の後編では、主にVisual Basic 2005のトピックと、Visual Studio 2005で新たに実現されるアプリケーションの配布形態のひとつ「ClickOnece」について解説していく。
Visual Studio 2005(以下、VS2005)では、アプリケーション構成とリソースを簡単に扱えるようになる。プロジェクトのプロパティとして、アプリケーション構成(app.config)を編集できるのだ。アプリケーション構成には、文字列の型の値を保存することも可能だ(画面13)。
アプリケーション構成では、スコープとして「アプリケーション」と「ユーザー」のいずれかを選択できる。詳細は次の通りだ。
アプリケーションを選択した時には、設定値がアプリケーション構成ファイル(app.configファイル)に記述される。それに対し、「ユーザー」を選択した場合には、設定項目名だけがapp.configファイルに作られ、実際の値は「分離ストレージ」と呼ばれる部分に保存され、読み書き可能な状態になる。
分離ストレージとは、アプリケーションごと、ユーザーごとに用意された仮想的なストレージを示し、.NET Frameworkにおいて、ユーザー固有の情報を書き込む場合に使われる場所のことだ。アプリケーション構成に設定した値は、VB.NETの場合には、「My.Settings.項目名」を、C#の場合には、「Properties.Settings.Value[項目名]」で参照可能となっている。
【VB.NET】の場合 |
Dim pos As System.Drawing.Point pos = My.Settings.UserPotision |
【C#】の場合 |
Point pos; pos = (Point)Properties.Settings.Value["UserPosition"]; |
アプリケーション設定のスコープが「ユーザー」である場合には、次ページのように値を設定することもできる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.