IDC Japan、国内IPv6サービス市場規模の2004年上期実績と今後の見通しを発表

IDC Japanは、2004年上期の国内IPv6サービス市場規模を発表した。また、「順調に拡大」「微増」「拡大はない」と仮定した3つのシナリオを通して今後の見通しを推測している

» 2004年10月06日 20時50分 公開
[ITmedia]

 IDC Japanは10月6日、2004年上期における国内通信事業者のIPv6サービス市場規模、および今後の見通しを3つのシナリオ形式で発表した。

 これによると、2004年上期の国内IPv6サービス市場規模は約4億5000万円だった。同社では、今後の見通しに関して、3種類のシナリオを予測し、シミュレーションを行っている。

 順調に市場が拡大するとした「シナリオ1」では、コンシューマーへのIPアクセスにおけるIPv6も2005年中にはほぼ整備が終わると想定しており、この場合のIPv6市場規模は、2006年末には約400億円、2008年には約1000億円に達するとみている。

 IPv4からの部分的な移行を中心として徐々に市場が成長すると考える「シナリオ2」の場合、2008年末で約420億円の市場規模を予測。

 一方で、IPv6の抱える諸問題が解決されないとする「シナリオ3」では、先進事例を除いてIPv6の利用が拡大する見込みはなく、2008年になっても市場規模はわずか120億円程度にとどまることになる。

グラフ 3つのシナリオによるIPv6市場拡大のイメージ

 同社では、市場が順調に拡大する「シナリオ1」が達成される可能性が大きいと見ており、その理由としては、IPv6提供側の諸準備がほぼ整いつつあり、2005年以降のサービス提供体制に問題ない段階にきていること、利用者においてもIPv6の優位性・利便性に対する認知度が向上していることなどを挙げている。

 同社リサーチマネージャーの三島俊洋氏によれば、「今後IPv6サービス市場が大きく拡大するためには、使いやすく魅力的なアプリケーションの開発や、セキュリティ機能・運用保守スキルの向上を図ることが求められる」という。

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