ベータ2に次ぐエディションでは、AMDの64ビットCPUであるOpteronプロセッサの「Direct Connect Architecture」に対応する。さらに次のベータ3の開発中には、Intelの32ビットCPUの64ビット拡張機能(訳注:EM64T)がテストできる段階になった場合には、サポートするだろうとRizzo氏は述べている。
SQL Server 2005では、新しい管理ツールが提供されるのも魅力だ。その管理ツールとは、「SQL Server Management Studio」「Computer Manager」「Business Intelligence Development Studio」の3つだ。
Management Studio(ベータ1では、SQL Server Workbenchと呼ばれていた)は、現状のSQL Server 2000における「Enterprise Manager」「クエリアナライザ」「分析マネージャ」をVisual Studio 2005に似た統合開発環境のように一体化した管理ツールだ(画面1)。
Management Studioでは、Notification Servicesやレプリケーション、Reporting Services、そしてさらには、古いバージョンのSQL ServerやSQL Server Mobile Editionもまた、同じユーザーインターフェイスで管理できる。
プロジェクトには、接続、クエリ、そしてそれに付随するさまざまなファイルを含めることができ、ひとつのソリューションファイルとして保存できる。
Management Studioは、Visual Studio 2005の統合開発環境のように、「オブジェクトエクスプローラ」「ツールボックス」、そして「登録したサーバのリスト」をドッキングしたユーザーインタフェースとして操作できる。
オブジェクトエクスプローラには、[Databases][Security][Notification Services][Replication][Management][Support Services][SQL Server Agent]の各ノードツリーがあり、これらからサーバを管理できる。また、統合されたクエリエディタは、ダイナミックヘルプを提供し、クエリのキーワードを入力すれば、T-SQLの文法が表示される。
Visual Studio 2005ベータ1のBooks Onlineに、Code Wise Communityサイトへのリンクがあるように、SQL Server 2005のBooks Onlineでも、SQL Communityサイトへのリンクが含まれ、足りない情報が補われている。
Books Onlineで[Microsoft SQL Server 2005]―[Tutorials]―[SQL Server Tutorials]というメニューを表示させれば、チュートリアル参照ができる。
しかしながら、ベータ2におけるほとんどのチュートリアルのカテゴリは、まだ用意されていない。そのため、チュートリアルを表示しても、「Information yet to come」と記載されているだけだ。
従来、MSDE(Microsoft SQL Server 2000 Desktop Engine)には、GUIの管理ツールが提供されていなかった。しかしMSDEの置き換え製品に相当する「SQL Server 2005 Express Edition」では、幾つかの機能が限定されているものの、GUIで管理できる管理ツールが提供されるようになった。
SQL Express Managerのプレビュー版には、SQL Express ベータ2の環境設定をするためのウィザードが含まれている。SQL Express Managerのプレビュー版は、本稿を読むころには、提供されているはずだ(訳注:SQL Express Managerは延期となり、ベータ3から提供されることになった)。
Visual Studio 2005すべてのエディションには、SQL Express 2005が含まれている。SQL Expressベータ3では、ClickOnceによるデータベースデプロイメントもサポートされる予定だ。
SQL Expressは、ひとつのCPUのもとで実行され、たとえ複数のCPUがあっても、ひとつしか使われないという制限がある。MSDE 2000における制限であった、「1. 4GBしか扱えない」、「2. 接続数が多い時にパフォーマンスが悪くなる」という制限は、SQL Expressでは、撤廃された(訳注:それ以外の制限については、「SQL Server 2005 Express Edition概要」を参照)。
Management Studioに含まれるクエリエディタは、従来のクエリアナライザの代わりとなるものだ。クエリエディタでは、データベースに接続することなしに、T-SQLスクリプトを記述できる。
クエリエディタでは、「マルチディメンジョン式(MDX)」や「XMLA(XML for Analysis)」そして、「Data Mining Extensions(DMX)」の編集もできるように拡張されている。
新しく提供されたSQLCMDモードを使うと、T-SQLスクリプトからOSに実装された命令を実行することもできる。また、osql.exeとisql.exeに取って代わるOLE DB接続で操作するコマンドラインツールとしてsqlcmd.exeが提供される。
クエリエディタでは、XMLデータを含む結果セットを表示できるように拡張されている。また、SQL ServerとSQL Server Mobile Editionのためのグラフィカルな実行計画ツールも含んでいる。
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