票の消失、集計ミス。米大統領選で電子投票にトラブル

11月2日の米大統領選で一部地域において、電子投票機のトラブルにより票が消えたり、何倍にも増えたりする問題が発生した。(IDG)

» 2004年11月08日 14時10分 公開
[IDG Japan]
IDG

【編集部注】記事初出時に、本文第4段落目の電子投票機のメーカー名に誤記があり、Danaher Controlsとすべきところが誤ってES&Sと記載されておりました。ES&S製品は記事に掲載の欠陥とは無関係です。お詫びして訂正します。(2004年12月8日)

 Associated Pressが報じたところによれば、11月2日の米大統領選挙で使われた電子投票機のトラブルによって、ノースカロライナ州一部地域で4500票以上が“紛失”、またオハイオ州では3800票以上がブッシュ票として余計に加算された。

 ノースカロライナ州カータレット郡では、UniLect製電子投票機のストレージ容量が原因と見られる問題により、4530票が紛失したとAssociated Pressは伝えている。郡関係者の計算では電子投票機には1万500票が格納されているはずだったが、実際には3005票しか格納されていなかった。

 紛失した4530票を回復させることはできないとAssociated Pressは報じている。11月5日時点でUniLectのオーナー、ジャック・ガーバル社長からのコメントは得られなかった。この件について同郡の選挙管理委員会は「ノースカロライナ州選挙委員会が調査を続行中」との短いコメントを出した。

 オハイオ州フランクリン郡では、Danaher Controls製の電子投票機における欠陥が原因で、実票数の5倍以上にあたる3893票がブッシュ票に加えられた。

 同郡の非公式開票結果では、ブッシュ候補が4258票、ジョン・ケリー民主党大統領候補が260票と伝えられたが、同選挙区の投票者数はわずか638人だったことが選挙記録に示されているとAssociated Pressは報じている。なおオハイオ州ではブッシュ候補が13万6000票差でケリー候補に勝利した。

 フランクリン郡関係者からはコメントを得られなかった。

 2日の大統領選挙終了後、オハイオ州はブッシュ票が十分な数に達した時点で同州におけるブッシュ候補の勝利を宣言、それにより大統領選の決着が付いた。

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