Informixの実力を高く評価する楽天――大規模WebサイトにおけるDBMS(1/2 ページ)

日本アイ・ビー・エムは、ソフトウェア・コンピテンシー・センターでInformixのユーザーカンファレンスを開催した。ゲストスピーカーには複数のDBMSを使う楽天が招かれ、Informixの実力を事例として語った。

» 2004年11月19日 18時13分 公開
[西尾泰三,ITmedia]

 日本アイ・ビー・エムは11月19日、東京・渋谷のソフトウェア・コンピテンシー・センターでInformixのユーザーカンファレンスを開催した。IBMからはInformixの開発を手がけるjerry Keesee氏が登場したほか、ユーザー事例として楽天が招かれている。

 このようなカンファレンスが開催される背景には、Informixが主にパートナー経由で販売されてきたことが関係している。直販体制をとっていなかったことは、日本IBMから情報を直接ユーザーに届けるという手法がとれていなかったことを意味する。このことは、ユーザーとの間に壁を生じさせてしまったと日本IBMソフトウェア部門でデータマネジメントを担当する中川いち朗事業部長は、パートナーだけでなく、ユーザーを交えたカンファレンスを開催するなどし、コミュニティ化する必要性を説く。

 カンファレンスの冒頭、アジアパシフィックのデータベース関連事業を統括する川原均氏は、「2001年の買収以後、IBMはInformixの資産を有効活用していない部分があった」と話す。

川原氏 アジア各地域で開かれるInformixのユーザーカンファレンスを回る川原氏

 同氏は、InformixとIBMのかかわりをミニクーパーを引き合いに出す。ローバーをドイツのBMWが買収したことで、ミニクーパーも存続することが決まった際、ミニクーパーのオーナーはBMWの今後について不安を持つことが少なくなった。しかしその後、BMWはミニクーパーと社内競合しかねない「1シリーズ」を展開している。しかし、そのことはミニクーパーの終えんを意味しているのではなく、それぞれの優位性を共有し、融和性を高める結果となった。これと同じことがInformixとDB2についてもいえると話し、今後、これまで以上にInformixを有効活用したいと述べた。ユーザーには、引き続きInformixの機能拡張が行われることと、保守期間の継続を保証することで、安心して使ってもらいたいという。この一環として、既報のとおり、同社では今回、保守契約の再開を希望するユーザーには、過去の空白期間の保守料金を遡って請求しない旨をパートナーに告知している。


 次ページでは、楽天のユーザー事例を紹介する。複数のDBMSを使う同社がInformixの魅力を教えてくれる

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