コラム
» 2004年12月07日 14時51分 UPDATE

dev Linux月刊「OpenOffice.orgコミュニティ通信」――12月号

11月のOOo(OpenOffice.org)コミュニティでは、教育機関での採用事例を始め新たなアルファ版のリリース、サーバサイドでのXML応用などがトピックとなった。

[可知 豊,ITmedia]

 今月のOpenOffice.orgコミュニティ通信では、主なニュースを始め、OpenOffice.orgをシステムの一部として利用するといった技術的な可能性についても触れていきます。

11月2日、IPA公募のOSS活用でOOoがエントリー

 IPAより「学校教育現場におけるオープンソースソフトウェア活用に向けての実証実験」の公募結果として、2つのプロジェクトが発表されました(関連記事)。

 ひとつは、三菱総合研究所ら9社が参加するもので、茨城県つくば市と岐阜県内の小中学校計8校にLinuxデスクトップを導入されるというものです。Linuxデスクトップとしては、TurbolinuxとSun Java Desktop Systemが採用されます(関連記事関連記事)。

 もうひとつは、アルファシステムズが実施するもので、拓殖大学や北海道工業大学など8校で、現状のPC環境にKNOPPIXを導入して授業を行います。どちらのプロジェクトも、オフィススィートとしては、OpenOffice.orgかStarSuiteを採用することになります。

 当たり前ですが、このような実証実験は、多くの課題を明らかにすることになるでしょう。Windowsがよいのか、Linuxがよいのかという視野問題ではなく、IT技術に触れる際、「特定のソフトウェアから独立した手法で身につける」というきっかけになればよいと思います。

11月24日、FirefoxとOOoのパッケージ「OOoFf!」発売

 Mozilla FirefoxとOpenOffice.orgをひとつにまとめたパッケージ「OOoFf!」が、Linspire inc.から発売されています(英語版)LivedoorのBlogで、Linspire inc. CEOのMichael Robertson氏の記録が公開されており、ここで「OOoFf!」も紹介されています(こちらは日本語)。

11月26日、デスクトップ環境KDEとの協調

 KDE Newsには、統合デスクトップ環境KDEに合わせたOpenOffice.org 1.1.3公開のニュースが掲載されました。

 OpenOffice.orgのツールバーにKDEのネイティブWidgetを使うといった改良が施されています。さらに、OpenOffice.org 2.0では、このような設定変更が簡単にできるようになるそうです。

Debian ARM移植プロジェクトへのコミットも

 OpenOffice.orgサイトに、Debian ARM DeveloperであるPeter Naulls氏のインタビューが掲載されました

 同氏は、携帯電話やPDAなどに使われているARMプロセッサ上で動作するDebian GNU/Linuxに、OpenOffice.org 1.xを移植したことで知られています。この移植の目的は、ARMプロセッサがケータイやPDA限定ではないのだ、というデモを行うことと言及しています。OpenOffice.org ARM版は、こちらのページからダウンロードできます。

OpenOffice.org次期バージョンに向けてアルファ版が着実に

 OpenOffice.org2.0のリリースに向けて、新しいアルファ版1.9.m62が公開されました関連リンク)。

 また、ベータ版のリリースも12月上旬に予定されています。この際には、日本語版も登場する予定ですが、どのような内容になるかはまだよく分かっていません。

 さらに、現在の1.1.3に続いてバグフィックス版である1.1.4のリリースも予定されています。すでにリリース候補が用意されており、近日正式リリースされます。

OpenOffice.orgファイルフォーマットの可能性を考える

 OpenOffice.orgというと、Microsoft Officeや一太郎オフィスのような統合オフィススイートソフトだと思っている人が多いはずです。確かに、そのために十分な機能を持っていますが、実はそれだけではありません。OpenOffice.orgは、さらに大きな可能性を秘めています。

 OpenOffice.orgのファイル形式は、XMLをzipアーカイブしたものになっています。そのために、外部のプログラムで簡単に加工可能です。soffice2htmlや、CMFOODocumentのような幾つかのツールが対応しており、これを使うとアップロードしたOpenOffice.orgファイルをHTMLに自動変換してくれます。

 これらは、基本的にデスクトップではなくサーバ側で動作するツールです。

 さらに、OpenOffice.orgはサーバ上でも動作させることが可能です。制御は、マクロBasic/Java/C++などから行います。2.0では、Pythonなどからも行えるようになるかもしれません。

 Javaで作成したプログラムをプラグインと動作させることもできます。たとえば、クライアントOOoに組み込んだプラグインでサーバOOoと通信するという使い方ができます。

 データ入力には、使い慣れたCalcのテンプレートで入力し、マクロ or プラグインでサーバOOoと通信し、それをデータベースに格納したり、データーベースの出力をサーバOOoで帳票出力させるなんてことができると考えています。

 オフィス上で作成したワープロ文書などをサーバ管理するといったシステム構築も可能でしょう。こちらのサイトでは、アップロードしたOOoファイルをPDF、Doc、XHTMLに変換する機能を実現しています。

 ただし、このような技術的な可能性は、OpenOffice.orgのユーザーの間でもまだ十分に検証されていないのが実状です。

 OpenOffice.orgは統合オフィスソフトという方向から興味を持つ人が多いため、サーバサイドについて詳しい人にまだ伝わっていないのかもしれません。もしかすると、Microsoft Officeや.NETを利用しなくても、オープンソースソフトウェアの組み合わせだけで、文書管理システムが構築できるかもしれません。どなたか調べて挑戦してみませんか(OpenOffice.org XML File Format:ファイルフォーマット仕様)。

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