Qt2系列とQt3系列――第1回 フレームバッファでQtアプリ(その2)UNIX USER1月号「デスクトップで動かす・学ぶQt/Embedded」より転載(3/3 ページ)

» 2004年12月17日 12時45分 公開
[杉田研治,UNIX USER]
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Qt/X11のインストール

 まずはQt/X11のインストール方法です。

環境変数の設定

 表9のように環境変数を設定します。今回は、ビルド環境をそのままインストール環境とします。

表9 Qt/X11での環境変数
環境変数 設定内容
QTDIR /usr/local/qt/qt-x11-free-3.3.3を設定
MANPATH $QTDIR/doc/manを追加
LD_LIBRARY_PATH $QTDIR/libを追加
PATH $QTDIR/binを追加

コンフィグレーション

 Qtに含まれるconfigureスクリプトはGNU Autoconfでなく自前のスクリプトです。オプション「-help」を付けると指定できるオプションの説明が表示されます。今回は実行例1のようにコンフィグレーションします。

実行例1 Qt/X11のコンフィグレーション
unset which
./configure -v             \  ← 詳細メッセージ
>             -xft           \  ← Xftサポート
>             -thread        \  ← スレッド
>             -no-exceptions \  ← 例外の無効化
>             -debug            ← デバッグモード

 Vine Linuxでは、OS環境でwhichが関数定義され、現行のQtのconfigureスクリプトでは、エラーとなってしまうため、関数定義を削除しておきます。ライセンス許諾を尋ねられるので「yes」と答えると最後まで処理されます。表8の環境では、この工程に約8〜9分かかりました。

コンパイルと動作確認

 ライブラリ、サンプルコード、チュートリアル、ツール類をコンパイルします。

$ make 2>&1 | tee make.out

 表8の環境では5時間40分強かかりました。次に、Qt/EmbeddedのプログラムをX11上で実行するために仮想フレームバッファプログラムqvfbをコンパイルしておきます。

$ cd $QTDIR/tools/qvfb
$ make
$ cp qvfb $QTDIR/bin

 表8の環境で3分強かかりました。ここまでできたら、サンプルコードやチュートリアルで動作確認ができます。


 「第1回 フレームバッファでQtアプリ」の内容は3回に分けて掲載予定です。次回はQt/Embeddedをインストールし、デスクトップ上でフレームバッファを使用してプログラムが動かせるまでを解説します。なお、掲載は12月18日を予定しています。ご期待ください。

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