コラム
» 2005年01月07日 15時57分 UPDATE

dev Linux月刊「OpenOffice.orgコミュニティ通信」――1月号

次期2.0への一太郎フィルター搭載はバグだった。ベータテスト遅延ながらも登場が期待されているOpenOffice.org。オープンソースデスクトップの可能性を担うOOoは、2005年、どのような動きを見せるのか。

[可知 豊,ITmedia]

 明けましておめでとうございます。今年も、OpenOffice.orgにまつわる情報を月刊でお届けしていきます。

 2005年1月現在、今年、OpenOffice.org筆頭のトピックはバージョン2.0の登場です。Mozilla Firefox、Thunderbirdなど、最近は高性能なアプリケーションが出揃ってきたので、いままで以上にオープンソースデスクトップが注目される年になると思います。

 もしかすると、普及度合いはかなりの加速を見せるかもしれません。しかし、その場合にはオープンソースの面についてはあまり知られずに、単なる無料で高機能なフリーウェアだと勘違いされるのではないかと心配しています。ある程度は構いませんが、長い目でみて良いことはないでしょう。せめて1割程度の人がコミュニティ活動に興味をもち、プログラミングに長けている人は開発に参加したりと、そのような状況になればよいと考えています。

 それでは、昨年12月に登場したコミュニティの動きを紹介しましょう。

12月2日、ソースネクストが使用期限無しのStarSuite 7を発売

 これまでソースネクストは、1年間使用限定ライセンスの「StarSuite 7パーソナルパック」を1,980円(税抜き)で販売してきました。これに、使用期限が設けられていない「StarSuite 7パーソナルパックUNLIMITED」が加わりました。この新しいバリエーションの追加で、さらに選択肢が広がったことになります。

 OpenOffice.org2.0がリリースされた時、StarSuiteもバージョンアップされると考えられますが、現行バージョンで十分というユーザーも多いと思いでしょう。そのような人におすすめです。こちらの「OOoWiki:OpenOffice.orgとStarSuite7の違い」が参考になります。

12月12日、コミュニティメンバー忘年会の開催

 この日は日曜日でしたが、「OpenOffice.org日本ユーザー会」のミーティング&忘年会を開催しました。このミーティングでは、来年3月に開催が予定されている「オープンソースカンファレンス2005/Tokyo」にユーザー会としても参加し、大いに盛り上がげていこうという意見一致になりました。

 この頃には、きっと新バージョンについてもデモができると思います。忘年会も大盛り上がり。OpenOffice.orgを応援してくれた皆さん、ご苦労さまでした。ありがとう。

12月14日、2.0ベータテスト遅延が判明

 予定では、2004年12月に2.0のベータ版が登場することになっていました。しかし、遅れることになります。ベータ版とするには、十分に安定していないことが理由のようです。新しいスケジュールは、まだ発表されていません。

 代わりに、「OpenOffice.org 1.9.m65」がリリースされています。これが本来ベータ版になるはずだったので、ユーザーインタフェースなどの完成度はかなり高いようです。このm65は、ランゲージパックを追加インストールすることで、日本語版にもなり、すでにメニューのほとんどが日本語化されています。

 ただし、ベータ版としては総合的に十分な安定さに達していないということです。従来のアルファ版からファイル形式と拡張子も変更されています。

0501_writer.png 12月14日リリースのOpenOffice.org 1.9.m65

一太郎フィルターは搭載されず、残念!

 この1.9.m65ではもうひとつ重要なことが判明しました。OpenOffice.org2.0には、一太郎フィルターが搭載されると見られており、アルファ版1.9.mXXでは、「ファイルを開く」ダイアログの「ファイルの種類」に"Ichitaro 8/9/10/11 (*.jtd)"と表示されていました。先月の月刊「OpenOffice.orgコミュニティ通信――11月号」でも、そうお知らせしました。

 しかし、これがバグと判明しました。同じソースコードを利用しているStarSuiteの設定(ファイルエントリー)が紛れ込んでいたようです。残念ながら、OOo2.0には一太郎フィルターは搭載されません。すでに、IssueZillaにはバグ情報として登録されています

12月22日、1.1.4英語版がリリース

 OpenOffice.orgの現行メジャーバージョン、1.1.xもバージョンアップが続いています。現在、バージョン1.1.4の英語版がリリースされています。

 今回はバグフィックスとなっており、81個の不具合を修正しています。Wordドキュメント読み込み時にクラッシュする不具合などを改善しています。日本語版は、リリース候補版が公開されており、1月中ごろのリリースに向けて、現在QAテスト(品質確認テスト)を行っています(ダウンロードページ、英語版)。

OpenOffice.org利用のデータベース帳票ツールJooReports

 OpenOffice.orgと連携する新しいツールについて紹介しておきましょう。JooReportsは、OpenOffice.orgでテンプレートをデザインできる、オープンソースなデータベース帳票ツールです(英語情報)。

 次に挙げる2つのツールから構成されています。

 ひとつ目のJooTemplatesは、テンプレート処理を行うライブラリです。OpenOffice.orgの文書ドキュメントファイル(*.sxw)をテンプレートとして、そこにデータを結合しドキュメントを作成します。

 もうひとつのJooConverterは、汎用のフォーマットコンバータです。JooTemplateの出力をPDF(またはRTFファイルかWordファイル)に変換します。これはOpenOffice.orgに接続して動作するものです。この2つのツールをひとつにまとめたJooReports webappも用意されています。

OpenOffice.orgの情報源はどこ?

 毎月、筆者がこの連載で紹介しているネタは、主に次の情報源から得ています。

 まずは、OpenOffice.orgコミュニティのメーリングリスト(英語)です。

 ユーザーからの質問などが流れるもの(users@OOo)、案内情報が流れるもの(announce@OOo)、各種議論が行われているもの(discuss@OOo)などがあります。筆者はそれほどの英語力ではありませんが、日ごろ件名を眺めているだけでも方向性がつかめます。

 users@OOoは情報量が多いので、まずはannounce@OOoかdiscuss@OOoあたりがおすすめです。さらに、開発やマーケティング・ローカライズについてのメーリングリストもあります。OpenOffice.orgコミュニティは、細かくサブプロジェクトが分かれており、各プロジェクトごとにメーリングリストが用意されています。各メーリングリストへのリンクは、記事末の関連リンクにあります。

 日本語での情報交換は、日本ユーザー会のメーリングリストを中心に行われています。これも、米国同様にいくつかのMLに分かれています。ユーザーからの質問などが流れるもの(ユーザーML)、案内情報が流れるもの(案内ML)、議論や雑談用のもの(ディスカッションML)などです。

 特に、ディスカッションMLには、OpenOffice.orgコミュニティのメーリングリストや国内で目にした情報が投稿されたりと、かなり活発です。このほかに、開発、ドキュメントプロジェクト、翻訳プロジェクトなどのメーリングリストが挙げられます。

 この記事冒頭で、コミュニティ活動に興味をもつ人が1割程度、居てほしいと書きました。現在、ユーザーMLの登録者が3000人程度、ディスカッションMLが250人程度となっています(2004年11月調べ)。メーリングリストの登録者数は目安のひとつに過ぎませんが、活発に活動してくれる人がこの程度であれば、かなりいろいろなことができるのではないかと思います。何か始めるときも、ディスカッションMLから始まりますし、読者が参加する場合でも何かに取り組みたい際も、ここがいちばん反応が大きいと思います。

 なお、このほかの情報源として、ユーザー会の掲示板でも活発なやり取りが行われています。

 「OpenOffice.org News Update」と呼ぶニュースレターも発行しています。このニュースレターは、ディスカッションMLで編集作業を行い、月に2〜3回ほど、案内MLとユーザーMLに投稿しているものです。この連載より、もうちょっと早く情報がほしいという人は、こちらをご利用ください。また、日本ユーザー会のメーリングリスト、掲示板以外では、2chにもいくつかのスレッドが立っています。

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