Oracle 10g for Mac OS Xでエンタープライズ市場に挑むオラクルとアップル(1/2 ページ)

日本オラクルがOracle 10g for Apple Mac OS Xをいよいよ出荷する。価格性能比に優れたXserve G5サーバとOracle 10gのタッグが狙うのはエンタープライズ市場だ。

» 2005年02月10日 18時19分 公開
[浅井英二,ITmedia]

 オラクルとアップルのタッグがエンタープライズ市場に真正面から挑む。1月末、日本オラクルはアップルコンピュータの最新OS、Mac OS X Serverに対応した「Oracle Database 10g for Apple MAC OS X」とMac OS Xに対応した「Oracle JDeveloper 10g for Apple MAC OS X」を2月25日から出荷すると発表した。

 「アップルがエンタープライズ?」──大方の読者にはしっくりとこないだろうが、彼らのMac OS X Serverはオープンソースコミュニティーで生まれたさまざまな技術とBSD(Berkeley Software Distribution)の最新バージョンが融合したものだ。ご存じのようにBSDは、1970年代半ばにカリフォルニア大学バークレー校から配布が始まった正統派のUNIX。ビル・ジョイ氏がTCP/IPを実装したことによって、多くのコンピュータで利用されるようになった。今日のインターネットをつくりあげた基盤といってもいい。ちなみにジョイ氏はSun Microsystemsの共同創設者であり、Javaの成功にも大きな役割を果たしたことで知られる。

Mac OS X Server

 かつてはMacintoshのためのサーバとして販売されてきたアップルのサーバだが、Mac OS X ServerはOpen DirectoryとSambaが組み込まれ、Macintoshだけでなく、Windowsクライアントにもネイティブ対応したサービスを提供できるようになっている。WebサーバのApache、QuickTime Streaming Server、アプリケーションサーバのJBossやTomcat、SOAP実装のApache Axis、データベースのMySQL 4も組み込まれているため、スケーラブルな分散型エンタープライズアプリケーションの基盤としても生かすことができるだろう。

優れた価格性能比のXserve

 「エンタープライズ市場への取り組みを着実に進めてきた。新しいXserveやMac OS X Serverという製品はその証だ」と話すのは、アップルで1Uのラックマウント型サーバ、「Xserve」を担当する鯉田潮課長。

 同社は1月5日、64ビットの2.3GHz PowerPC G5プロセッサを2基搭載できる新しいXserve G5を発表したばかり。2.0GHz PowerPC G5のシングルプロセッサモデルなら34万6290円というコストパフォーマンスの良さが際立つ。もちろん、Mac OS X Serverも含まれている価格だ。

ラックマウトサーバとは思えないスタイリッシュなXserve G5

 Xserveは2003年秋、バージニア工科大学のシステム(約1100台)が10.28テラフロップスの演算能力を叩き出し、スパコントップ500ランキングの3位に食い込んだことで一躍その名が知られた。同大学は2.3GHz駆動のXserveにさっそくアップグレードし、通称「Big Mac」と呼ばれるスパコンシステムの演算能力を12.25テラフロップスまで引き上げているという。

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