今回の作成に必要な環境は次の通りだ。
1. Flash MX、もしくはFlash MX 2004
アプリケーション作成に必要な環境だ。ActionScriptと呼ぶFlash特有のプログラミング言語を用いてオーサリングする。作成するとswfというファイルをFlashから出力し、別途HTMLファイルも出力可能だ。マクロメディアのサイトから1カ月間使用できる体験版ダウンロードもできる。この特集サンプルでは、Flash MXを使用している。
なお、Flash MXではActionScript 1.0を使用する。Flashの最新版であるFlash MX 2004では、本格的なオブジェクト指向プラグラミングを可能にするActionScript 2.0が採用された。
2. Flash Communication Server
試用、開発目的でマクロメディアサイトからダウンロードが可能な試用版が用意されている(Windows版、Linux版)。FCSではサーバーサイドスクリプティングが可能であり、サーバに拡張子ascファイルのテキストベースのファイルを配置し、制御する。サーバパッケージ購入も可能だが、企業で使用する場合は、サーバメンテナンスやサポートを考慮し、適切なレンタルサーバからライセンスも借りるのがよいかもしれない。
筆者の制作環境は、クライアントのWindowsにFlash、FCSをインストールしてアプリケーションを作成、テスト。その後、FCSをレンタルしているサーバにアップロードし、テスト、公開という手順で行っている。
3. Flashプレーヤー
ユーザーのブラウザ拡張としてインストールし、swfファイルを再生するソフト。マクロメディアのサイトから無料でダウンロードができる。Flashから出力したswfファイルと、それを埋め込んだHTMLファイルをブラウザで読み込むと、作成したアプリケーションが動作する。FCSとは、このFlashプレーヤーを通して通信する。
4. Webカメラ(動画キャプチャ可能なデジタルカメラなど)
今回の特集で解説するサンプルアプリケーションで使用する。
ユーザーが使用するブラウザでFCSを使ったアプリケーションが動作する仕組みを図解すると以下のようになる。
上図では、ユーザーがアクセスしたHTML内でswfファイルが埋め込み指定されていると、ブラウザプラグインのFlashプレーヤーが関連起動してFCSへのアクセスを試みる。FCSは、該当アプリケーション専用のディレクトリとサーバーサイドスクリプトにアクセスし、接続が成功すると、要求処理、そして結果をFlashプレーヤーに返すという流れになる。不特定多数がアクセスする場合も同じであり、共有オブジェクトによって該当情報をシンクロさせることも可能だ。
それではインストールのポイントを説明していこう。ここではWindows版のFCSデベロッパー版をダウンロードする。
FCSは同時接続数、使用帯域によって価格の異なる製品版の購入もできるが、前述のように試用版ダウンロードが可能だ。試用期間はインストール後30日間であり、その後は使用制限のあるデベロッパー版となる。
1. インストールはダウンロードしたファイル「commserver1_5_dev_edition.exe」をクリックし、後は基本的に表示の指示に従うだけだ。
2. インストール先は標準で、「C:\Program Files\Macromedia\Flash Communication Server MX」になっている。ディスク空き容量などに問題がなければ、このまま進めればよい。
3. Setup Typeでは一般的なTypicalを選択する。
4. サーバ管理者用のユーザー名、パスワードを入力する。この手順は管理者としてログインする場合に毎回必要になるため、忘れないようにしなければならない。
5. FCSをインストールするPCにWebサーバが既にインストールされている場合は、使用サーバを選択する。
6. ここまでの設定でインストールが実行される。終了後、「FCSを起動する」チェックボックスをオンにしておく。
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