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» 2005年02月23日 17時07分 UPDATE

個人情報保護法に対応済み、わずか3割――アビーム調査

アビーム コンサルティングが1月に行った調査によると、個人情報保護法に対応済みと答えた企業は、わずか34%だった。「この数字は予想に反して低い」と、調査を担当したアビームリサーチの石神氏は対策の遅れを指摘する。

[ITmedia]

 アビーム コンサルティングは2月23日、個人情報保護法の対象となる企業の実態調査結果を発表した。調査は、個人情報取扱事業者となる企業を対象とし、法施行3カ月前にあたる2005年1月にアンケートを実施したもので、121社からの回答をまとめた。

 調査では、「社内規程の作成」「組織での責任体制」「従業員教育」の3点を個人情報保護に関する基本方針の重要項目として挙げ、これらに対応できているかをたずねたが、3項目すべてに対応していると答えた企業は34%にとどまったという。

 「回答に当たり、あらかじめ自社が個人情報取扱事業者に当たるかたずねた。それを認知しているにも関わらず、この数字は予想に反して低い」と、調査を担当したアビームリサーチの石神芳文シニアマネジャーは対策の遅れを指摘する。

 情報漏えい防止に関する対策では、漏えいを経験した企業と経験がない企業で、その姿勢に差が見られ、漏えい経験企業が紙媒体への対応など物理的な防止策へ注力するのに対し、未経験企業は社員教育を重視する傾向が見られた。

 具体的な紙媒体における対策としては、漏えい経験企業の100%が「キャビネ施錠」を挙げているのが目立つほか、経験企業は「ペーパーレス化」(62%)や「印刷制限」(46%)の導入割合が高く、未経験企業の導入割合と大きな差があった。「漏えいした企業は社員教育に頼るより、物理的にけん制しようとする傾向が見て取れる」(石神氏)

 業種別に個人情報保護法対応の進捗度合いを数値化して見ると、情報サービス業が偏差値55.7でもっとも対策が進んでいたという。ほかの業種と比べ、特に外部委託先に対する管理や、チェック機能、社員教育に関しての対策に注力する傾向があった。

図 業種別の進捗状況

 次いで偏差値の高かったのは金融業だったが、企業によって対応の状況にばらつきが見られる特徴があった。一方で、小売業や不動産業は、全般的に対応が進んでおらず、特に重点項目の1つとなっている社員教育において遅れが顕著となった。

 個人情報保護法の対応推進において、最大の課題は何かとたずねたところ、多くの企業が「時間」と「直接経費」を挙げたという。新たな組織/規程作成や現状把握、社員教育において、約60〜75%の企業が時間不足を訴えているほか、IT対応、物理的対応、チェック機能の分野で約70〜85%の企業が直接経費を課題としている。このほか、危機管理、委託先管理、組織/規程作成の分野では、約50〜70%の企業が阻害要因としてノウハウ不足を挙げた。

 「個人情報保護法は制定から2年経っている。いまごろになって時間がないというのはどういうことだろう? 経営者はもっと危機感を持つ必要がある」(石神氏)

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