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» 2005年03月17日 22時59分 UPDATE

SunがJavaライセンス条件を修正、ただしオープンソース化は見送り

SunがJavaの新たなライセンス方式を発表した。完全なオープンソース化はならず、互換性の維持にも配慮した内容となっている。

[IDG Japan]
IDG

 Sun Microsystemsは3月16日、Javaのライセンスを修正し、「Javaをできるだけオープンソース化する一方で、プラットフォームの互換性を維持したい」と強調した。

 同社は、クライアントサイドのWebサービス機能を強化する次期版Javaの最新情報も公開した。

新たなライセンス計画「Peabody」

 Sunのライセンス計画の柱となる「Project Peabody」では、「JIUL」(Java Internal Use License:“ジュエル”と発音する)と呼ばれる新しいスキームが導入される。JIULでは、ユーザーは社内利用に限ってJavaのソースコードを変更することができる。JIULは自主管理方式に基づき、J2SE規格との互換性の維持はユーザー側にゆだねられている。JIULの下でのJavaの利用は無償である。

 SunのJavaプラットフォームグループの副社長でSunフェローのグレアム・ハミルトン氏は電話会見で、「JIULの導入によってJavaが分裂するリスクもあるが、当社はユーザーがそのリスクを負うのを認める方針だ」と語った。Sunによると、以前のJavaの分裂は後悔をもたらしただけだという。

 JIULは約1カ月後に導入される見込みだ。

 Sunはライセンス方式を修正することにより、オープンソース擁護者と互換性を重視するユーザーの両方から支持を取り付ける考えだ。

 Sunのデベロッパープラットフォームグループのジェームズ・ゴスリングCTO(最高技術責任者)は、「われわれは両方の立場の人々のニーズを尊重しており、オープンソースにできるだけ近いライセンス条件とコラボレーション環境を実現しながらも、そのほかの人々が抱いている相互運用性と互換性への期待も裏切らないつもりだ」と話している。なお、同氏もSunフェローの肩書きを持つ。

 ゴスリング氏によると、IBMなどの企業がJavaのオープンソース化を要求しているが、このプログラミング言語のオープンソース路線にだれもが関心を抱いているわけではないという。同氏は、オープンソースよりも互換性を重視するユーザーとしてブラジルの医療システムなどの組織を引き合いに出している。

 「実際、こういったユーザーの多くは、野放図で雑然としたオープンソースの世界に関心がなかったり、反感を抱いたりしている」とゴスリング氏は話す。

 ハミルトン氏によると、Peabodyではソースコード開発の透明性に重点が置かれている。「開発者の間には、ソースコードを何度でも見たいという願望があるのは確かだ」と同氏は話す。開発者はライセンスに煩わされることなく自分でバグを修正したいとも考えており、また、互換性も重要な関心事だという。

 3月16日には、Peabodyプロジェクトの一環として「JDL」(Java Distribution License)も発表された。これは、異なるOS向けにJavaの大規模な商用デプロイメントを開発する目的に限定されたライセンスである。

 Sunは既に、Peabodyプロジェクトの一環として「JRL」(Java Research License)を作成している。JRLは開発コミュニティーを対象としたライセンスで、Javaのバイナリベースの研究用ディストリビューションを共有することが認められている。同社はJ2SEのソースコードをJRLの元でリリースしている。

 Sunのテレカンファレンスを聞いたアナリストは、Sunのライセンス方式改善に向けた取り組みを歓迎している。Burton Groupのアナリスト、アン・メーニーズ氏は、「オープン化が進み、透明性が高まると聞いて喜んでいる」と話している。

 現在のSCSL(Sun Community Source License)は扱いにくいとされており、JIULによって置き換えられる見込みだ。

 「SCSLはいずれなくなるだろう。われわれはたぶん、J2SE 6.0ではSCSLを採用しないだろう」とハミルトン氏は話す。

 ゴスリング氏は、GNU General Public Licenseなどの既存のオープンソースライセンスの価値を疑問視している。「オープンソースライセンスにはずさんなものが多い」(同氏)

次のロードマップも

 Sunは、J2SEの次期バージョン「Mustang」(バージョン6.0)に関する最新情報も明らかにした。Mustangは2006年上半期にリリースされる予定で、Webサービス、パフォーマンス、モニタリング、管理、開発などの機能強化に重点が置かれる。

 ハミルトン氏によると、Mustangでは、Javaで本格的なデスクトップを開発するのが容易になるという。また同プラットフォームには、WSIO(Web Services Interoperability Organization)のBasic Profileのサポートが追加される。既にJ2EEには同サポートが組み込まれている。JAX-RPC機能を含む包括的なWebサービススタックもMustangに組み込まれる見込みだ。

 「Mustangでは、JavaクライアントがWebサービスを使って、バックエンドのJavaベースあるいはMicrosoft .NETベースのシステムと対話できるようになる」とハミルトン氏は話す。

 SunのWebサイトによると、J2SEはデスクトップとサーバのアプリケーション開発環境を提供し、J2EEの基盤としての役割を果たすとしている。

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