MS、Windowsの違法コピー対策を拡大

Microsoftは、Windowsの違法コピー対策を拡大し、各国語対応用アドオンをダウンロードするユーザーにも正規版の認証を求める考えだ。

» 2005年03月31日 22時49分 公開
[IDG Japan]
IDG

 ソフトウェアの違法コピー対策を強化しているMicrosoftは、Windowsの各国語対応用アドオンをダウンロードするユーザーに対して、使用中のOSが正規品であるという認証を先に受けるよう求める考えだ。

 Microsoftは現在、24カ国語版のWindows XPを提供している。さらに「Windows XP Language Interface Packs」と呼ばれる無償のOS用アドオンによって、20カ国語を追加サポートしている。これらのアドオンはWindows XPユーザーインタフェースを完全に翻訳したものではないが、標準的な機能の大半をカバーしている。

 Microsoftの発表文によると、同社は今後数カ月の間に、これらのアドオンをダウンロードするユーザーに対して、使用中のWindowsの確認を最初に求めることにより、違法コピー版のWindowsを使用しているユーザーのアクセスを禁止する予定だ。最初に適用対象となるのは、ベトナム語のLanguage Interface Pack。同パックは3月30日にリリースされたが、ダウンロードするには確認手続きが必要になる。

 Microsoftは昨年9月から、同社の「Download Center」Webサイト上で、「Windows Genuine Advantage」と呼ばれる海賊版対策のテストを続けてきた(関連記事)。同社によると、500万人を超えるユーザーがこのテストに参加したという。

 Microsoftはこの間、Windows XPの外国語版の一部を皮切りに違法コピー対策を徐々に拡大してきた。現在、ノルウェー語、チェコ語、中国語(簡体字)版のWindowsのユーザーがDownload Centerにアクセスする場合、使用中のWindowsの確認が要求される。

 同社によると、2005年半ば(日付は不明)には、すべてのWindows XPおよびWindows 2000ユーザーに対して、Download Centerあるいは「Windows Update」サイトからソフトウェアをダウンロードする際にWindowsの確認手続きを義務付ける方針だという。

 MicrosoftのDownload CenterおよびWindows Updateサイトでは、「Windows Media Player」や「Windows AntiSpyware」などのアプリケーションのほか、Microsoft製品用のセキュリティアップデートを提供している。同社によると、Windowsのセキュリティアップデート機能である自動更新や、Download Center上で提供されるセキュリティパッチについては確認を求めないとしている。

 Microsoftによると、Windows Genuine Advantageのチェックメカニズムは匿名方式で、クライアント側にActiveXコントロールが置かれ、Microsoft側には「Windows Product Activation」サービスが置かれるという。ユーザーはActiveXコントロールをインストールし、Windowsのプロダクトキー(通常、PCに貼付されたシールに記載されている)を入力する必要がある。

 ソフトウェアの違法コピーは、Microsoftにとって重要な問題である。米国だけでも、Windowsユーザー全体の4分の1近くが違法コピーを使っている。

 だが同社にとってもう1つの問題は、Windowsの違法コピーを使っているユーザーの多くがその事実に気づいていないということだ。Microsoftでは、Windowsの違法コピーを使っているのに気づいたユーザーには、正規版のWindowsを割引価格で提供する予定だとしている。

 Microsoftは、ソフトウェアの違法コピーとの戦いで多岐にわたる作戦を展開している。同社は、違法コピーが蔓延している一部のアジア諸国ではWindowsの廉価版を販売する一方で、自社製品の違法コピーを製造/販売する行為を防止するために司法当局とも緊密に連携している。

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