「独立系ソフトウェアベンダー」を強力に支援するIBMの意図(4/5 ページ)

» 2005年04月01日 06時50分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 SOAを採用することにより、カスタムメイドのアプリケーションを部品化できるようになる。つまり、部品化することによって、カスタムアプリケーションの一部を他者に提供することもできるわけだ。IBMの狙いは、従来のパッケージアプリケーションだけでなく、SOAを絡めることで、カスタムアプリケーションも部品化し、再利用可能な部品を蓄積することにある。

 そして、部品化した機能を組み合わせてシステムを開発する手法を確立することによって、IBMとパートナー企業の間で大きなバリューチェーンを創出することが日本IBMの「ISVエコシステム」という構想のベースになっている。さらに言えば、このようにさまざまなアプリケーションを組み合わせたシステムを構築した後に重要になるのが、運用管理や構成変更といった作業であり、同社としては、TivoliやRationalをアピールするという展開も踏まえている。

パッケージアプリケーション統合の課題

 パッケージアプリケーションや部品化した業務機能を組み合わせてシステムを構築する場合の問題点として考えられるのは、各アプリケーション間で論理的に整合性のあるデータモデルを持てるかどうかという点がある。たとえば、各アプリケーションごとに「顧客ID」が示すデータの粒度や意味(セマンティック)が異なっていては、効率的な情報共有はできない。そのため、マスターデータの再構築などが求められるかもしれない。

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