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» 2005年04月01日 10時36分 UPDATE

止められないDB、知識より経験を求めるOracleユーザー (1/2)

ローコストコンピューティングを求めて企業がLinux利用を拡大する中、Linux + Oracle RAC 10gで高可用性システムを構築したいと考え、実機で演習できるワークショップへ参加するユーザーが増えている。

[谷川耕一,ITmedia]

 昨春、Oracle 10gが国内でもリリースされ、しばしば耳にするようになったのが「Real Application Clusters」(RAC)だ。複数ノードを用いて信頼性と可用性、パフォーマンスを向上させるこのクラスターシステムは、敷居の高いものというのが一般的な印象だ。

 そもそもRACは、Oracle9iの時代からその名称で提供されており、さらに遡ればOracle V6の時代から続くクラスターシステムの仕組みだ。Oracle 10gではライセンスの変更で「Standard Edition」でもRACが利用できたり、データベースを止められないという顧客の要望や、ブレードサーバのようにダイナミックにリソース構成を変更できるハードウェアの仕組みと相まって、市場の関心は高まっているという。

 とはいえ、RACによるクラスターシステムの構築と運用の経験がある技術者は、まだそれほど多いわけではない。特にこれまでは、SunやHPなどの特定のハードウェア上で構築されることが多く、ハードウェア特有の機能を使いこなす必要もあったためRACには特殊な技術が求められると思われていた。

 そうした中、日本オラクルでは、「Oracle Real Application Clusters 10g for Linux 64bit 構築 + 実践ワークショップ」という教育プログラムを開講し、RACの敷居を下げる試みを始めている。Oracle RAC 10gの構築を、実機演習で経験できるというものだ。

Linux基幹系システムを経験する

 講座で利用している環境は、64ビットプロセッサのItanium 2を採用したHP IntegrityとディスクにはSAN(Storage Area Network)のHP StorageWorks EVA3000、OSはRed Hat Enterprise Linuxで構成されている。Linux環境下のRACだが、エントリーシステムの安価なStandard Edition版ではない。64ビットのハードウェアを用いたハイエンドなシステム構成だ。この構成は、メインフレームからの乗り換えを想定したミッションクリティカルなシステムをターゲットとしている。

OracleRAC.jpg 実記演習で利用するシステムを紹介してくれた研修部 オラクルユニバーシティ担当の甲木洋介氏

 日本オラクルによると、さまざまな経路で講座への申し込みがある中、講座情報サイトへの訪問の多くがレッドハットのサイトから誘導されているという。つまり、OracleではなくLinuxの情報を収集している人が、この講座に関心を持ったということだ。これは、ハイエンドシステムにおけるLinuxの利用が、市場の関心事になってきていると考えられる。

 講座の参加者の割合を見ても、エンドユーザーが4割を占め、残りが日本オラクルのビジネスパートナーといい、ほとんどがシステム提案をするシステムインテグレーターの開発者かと思えば、そうでもない。システム導入時のハードウェア、ソフトウェアの構成を決めるようなアーキテクトや実際に現場でシステムを運用管理するユーザー企業の担当者がRACに興味を持っているというわけだ。

 堅牢なメインフレームをオープンシステムに置き換えるのは、現場担当者にとって大きな挑戦だ。Oracle RACならば十分メインフレームを代替できるという情報は入手できても、実物を見たことも実際に触ったこともない。経験のないものの採用は躊躇(ちゅうちょ)するのが現実だ。本番システムと同様のシステム環境を存分に利用することで、その考えを覆させるのが今回のワークショップ型の講座の狙いなのだ。

GUI管理ツールが敷居を下げる

 とはいえ、そんなに簡単にRACを経験できるのだろうか。RACの構築、運用というと先にも触れたように、認定資格のORACLE MASTERでいえば、GoldからPlatinumという高い技術力が要求されると考えられてきた。しかし、日本オラクルの担当者に今回の対象者のスキルレベルを尋ねると、Silver以上という。基本的なOracleデータベースのアーキテクチャの理解と管理知識があれば、十分に内容を把握できるという。

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