コラム
» 2005年04月01日 11時13分 UPDATE

Mozillaは衰え、Firefoxは栄える?

Mozilla FoundationはFirefoxでもMozilla Suiteと同じ間違いを犯し、企業ユーザーをのけ者にしてしまわないだろうか――そうならないことを願っている。

[Jim Rapoza,eWEEK]
eWEEK

 昨年末に私がFirefox 1.0をレビューして以来、多くの人から「Firefoxは明らかに今出回っているブラウザの中で最高の選択肢なのか」「君なら率直に市場で最高のブラウザとしてFirefoxを勧めるか」という質問を受けた。

 私はレビューの中で「最高」という言葉を使ったが、これは非常に限定された意味だ。Firefoxは「今日手に入るスタンドアロン型Webブラウザの中で最高の選択肢」だと言ったのだ。

 eWEEK読者のビジネスマンも含め、特定のユーザーにはもっと優れた選択肢があると感じたため、「最高」という言葉をあまり広い意味では使わなかった。私が心に浮かべたのはMozilla Suiteだった。

 一部ユーザーにはMozilla Suiteの方が優れた選択肢になり得ると考えたのには、たくさんの理由がある。Mozillaの方が構成が容易だし、企業においてはアプリケーションを統合したスイートの方が複数のスタンドアロン型アプリケーションを使うよりも導入と管理が簡単だというのが主な理由だ。

 しかし、この主張には議論の余地があることが分かった。私たちが知る今のMozilla Suiteは、この先長くFirefoxと張り合っていけないだろう。Mozilla Foundationが同スイートの開発を現行のバージョン1.7で打ち切るという決定を下したからだ(3月12日の記事参照)

 3月10日に発表されたこの決定により、Mozilla開発者・ユーザーのコミュニティーにはかなりの怒りと混乱が巻き起こった――その主な原因は、Mozilla Foundationの首脳陣の対処の仕方にあった。多くの開発者はMozillaのバージョン1.8に向けて取り組んでいたため、自分たちの作業が無駄になるかもしれないと感じている。

 だが実際、Mozilla開発打ち切りの決定が意外なものだと言える人は誰もいない。およそ2年前、私は当時リリースされたばかりのMozillaのロードマップについての記事を書いた。ロードマップにはMozilla Suiteの終了と、スタンドアロン型ブラウザ(当時は「Firebird」と呼ばれていた)への移行が詳しく記されていた。

 このロードマップでは、Mozillaの開発はバージョン1.4で終わることになっていた。だから基本的には、Mozillaの開発は予定よりリリースポイントが3つ増え、予定より約2年長く続いたことになる。

 先の開発打ち切りの発表の中で、Mozilla Foundationはもう1年Mozilla Suiteのサポートを続けると述べている。またMozillaのコードはオープンソースであり、既にMozilla Foundationの外で開発を継続する計画が幾つか出てきている。もしかしたらこれらの計画では、Mozillaのコードネーム「SeaMonkey」を名称として使うかもしれない。

 こうした最近の展開が、Firefoxと代替ブラウザ全般の未来に大きな影響を及ぼすことになるだろうか? 最も大きな要因の1つは、企業ユーザーだろう。

 Netscapeが数年前にMozillaのβコードを基盤とした製品をリリースしたとき、私が主に批判したのはアプリケーションが企業ユーザーにとって使いにくい点だった。この点は特にいつも不満だった。Mozillaのビルド自体はビジネス環境での利用により適していたからだ。

 Mozilla FoundationはFirefoxでも同じ間違いを犯し、一般ユーザー基盤の獲得に夢中になり、企業ユーザーをのけ者にしてしまわないだろうか?

 Mozilla Suiteを使っている企業はあと1年間利用を続けられるが、その後は不透明だ。新たなSeaMonkeyの取り組みは、十分なサポートと更新を続けられるだけの開発者を集められるだろうか? Mozilla FoundationはFirefox、メールソフト「Thunderbird」、HTMLエディタ「Nvu」などのアプリケーションを企業にとってもっと使いやすくするための手を打ってくれるだろうか?

 最後の疑問は重要かもしれない。すべてのMozillaツールを一度にインストールできる機能や、Firefoxを配備・カスタマイズするためのIEAK(IE管理者キット)ライクなキットなど、企業に便利な機能が提供されれば、多くの企業はもっと気楽にFirefoxに移行するだろう。

 Mozilla Foundationの主要人物の中には非常に若い人もいるが、Web革命が始まったときから現役だった人もいることは分かっている。そうした「古顔」がNetscapeの転落から学んだ負の教訓だけでなく、Netscapeの台頭から学んだ正の教訓を忘れていないことを願いたい。

 Netscapeの初期の成長における最も重要な要素の1つは、ユーザーが同ブラウザを職場で使い、その後自宅でもダウンロードしたことだった。Mozilla Foundationが市場シェアを拡大し続けたいのなら、私には1つ、アドバイスすることがある――企業を大事にすることだ。

原文へのリンク

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