第1回 RSSの要約配信はさらに加速するBlogを支えるテクノロジー(1/6 ページ)

Blogを支えるテクノロジーそのものはとてもシンプルなものだ。Blogとは何なのか? その解はテクノロジーを知ることで見えてくるはずだ。この特集は、全3回で根底の技術を解説していく。

» 2005年04月08日 15時33分 公開
[大澤文孝,ITmedia]

 Blogをひとことで言えば、日記や備忘録などと広く捉えられている。RSSやトラックバック、pingなど、Blogから広がりを見せた根底となるテクノロジーが多いのも特徴だ。これらのテクノロジーは、最近ではBlogサービス以外に商用サイトでも幅広く採用され始めている。

 この特集連載「Blogを支えるテクノロジー」は、Blogで使われている技術がどのような仕組みなのかを解説し、どのような手法で実装(表現)ができるのか? そして、サイト上で具体的にどのような活用手段があるのかまでを解説していく。各回の記事後半では、技術的な内容となるが、日ごろMovable TypeなどサーバサイドBlogツールを使用しているユーザーにも役立つはずだ。RSSの仕組みを知ることで、アフィリエイト効果にも通ずる人とは違った表示形態を考えることができるはずだ。

 第1回目は、記事の概略を配信するのに使われるRSSについて取り上げる。2回目はpingとトラックバックについて、3回目はこれらの技術を取り込むBlogツールとの関連性についてだ。

RSSの実態は単純構造のXMLファイル

 RSSは、記事の概略を示したXML形式のファイルだ。格納されているデータは、(1)サイト全体の概要、(2)それぞれのコンテンツ概要(タイトルや内容概要)、(3)それぞれのコンテンツへのリンク、といった情報が含まれている。RSSで提供されるデータのこと(サービスやデータの流れ)を「RSSフィード」と呼ぶ。

RSSフォーマットには3つの規格がある

 歴史的な理由から、RSSには「RSS 0.9x」「RSS 1.0」「RSS 2.0」の3つのバージョンが混在し、現在に至っている。この中で、「RSS 2.0」は「RSS 0.9x」を改良したものであり、書式の互換性が確保されている。その一方で、RSS 1.0は、RSS 0.9xやRSS 2.0との互換性がない(図1)。またバージョンによっては、「RSS」が何の略称であるのかも異なっている。

図1■RSSのバージョンは3つ(2005年4月現在)

1)RSS 0.9x(Rich Site Summary、仕様関連リンク

 RSS 0.9は、米Netscapeが「My Netscape」と呼ばれるサービスを提供するために生み出したもっとも古いRSS仕様だ。その後、米UserLand Softwareが引き継ぎ、現在の仕様に至る。RSS 0.9xでは、図2に示すように、最上位の階層であるルート要素が、<rss>で始まる特徴がある。そして、それぞれのコンテンツを示すものは<item>で表現している。

図2■RSS 0.9xの構造

 図2を見ると分かるように、RSS 0.9xの構造は<item>が並ぶだけの極めて単純なものだ。実際、定義されている要素は、表1に示すもののみだ。RSS 0.9xの後継として、後述するRSS 2.0があるため、現在RSS 0.9xが主目的とすることは、ほとんどない。

表1■RSS 0.9xで定義される主な要素

要素名 意味
rss ルート要素。<rss version="バージョン番号">とする
channel チャンネル(該当サイト)を定義する要素
copyright 著作権情報
pubDate チャンネルの配信を開始した日時。RFC-822の日付形式
lastBuildDate 最終更新日時。RFC-822の日付形式
docs チャンネルのメイントップURL
description 概要
link リンク先
title タイトル
image アイコンなどの画像。<image>の中に<link>、<title>、<url>、<height>、<width>、<description>を入れて画像のリンク先や画像のソース、幅、高さなどを指定する
managingEditor 編集者のメールアドレス
webMaster Webマスターのメールアドレス
language 言語
skipHours コンテンツが更新されない時間の一覧。<skipHours>の中に<hour>を入れて、更新されない時間帯を指定する
skipDays コンテンツが更新されない曜日の一覧。<skipDays>の中に<day>を入れて、更新されない曜日を指定する
raiting PICS(http://www.w3.org/PICS/)によるコンテンツのレーティング状況
item 実際のコンテンツ要素。中に、<title>、<link>、<description>を入れてコンテンツの情報を示す
textinput 検索機能を使うとき、テキストボックスのSubmitボタンが押されたときに呼び出すWebアプリケーションのURLなどを指定する
cloud RSSが更新されたときにその通知を受け取るためのXML-RPCまたはSOAPのアプリケーションのURL(本稿末のコラム「rssCloud」を参照)
       1|2|3|4|5|6 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ